岳道の時事放談ですよ〜ん
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【なるほドリ】在日米軍、なぜ再編するの?
2012.05/17 (Thu)
◇スリム化、アジアに軸足 沖縄の基地負担軽減も図るなるほドリ 在日米軍(ざいにちべいぐん)の再編が最近また議論になっているけど、そもそも再編って何なの?
記者 日本は同盟関係を結んでいる米国の軍事力を背景に日本の安全を守っています。日米安全保障条約(にちべいあんぜんほしょうじょうやく)に基づいて、日本は米国に基地を提供して米軍が駐留し、米国は日本を守る義務を負うという仕組みです。しかし、日本を取り巻く安全保障の環境は変わりますし、米国の国防戦略も変わります。状況変化に合わせて、在日米軍の規模や体制を変えるんです。
Q どんな時に変えたの?
A 大きなものでは、01年に米国で起きた同時多発テロを契機に変えました。国際的なテロという新たな脅威(きょうい)と戦うため、米国は全世界で米軍をどこにどう置くかなどを検討し、冷戦時代から転換する計画を作りました。一方、日本も新しい防衛計画を作り、安全保障面での協力強化を打ち出しました。両政府は05年に安全保障上の「共通戦略目標」を決め、役割や任務などの分担を整理して06年に在日米軍再編のロードマップ(行程表)を発表しました。
Q ロードマップって沖縄県の米軍普天間飛行場(ふてんまひこうじょう)の移設問題でよく出てくるよね。
A 普天間飛行場は、96年に日本への返還が決まりましたが、前提となる移設が難航しています。04年に沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落して再び焦点があたり、ロードマップには沖縄県名護市辺野古(なごしへのこ)への移設が盛り込まれました。同時に、移設の進展を前提にして、沖縄の負担軽減策として駐留する海兵隊8000人の米グアムへの移転や沖縄本島中南部の米軍5施設・区域の返還などが明記されました。
Q 今回、そのロードマップを見直したんでしょ。なぜ?
A 国防予算を削る必要がある米国は、米軍をスリム化して機動的で柔軟な体制にする考えです。また、アジア太平洋地域に重心を戻す方針で、グアムを一つの拠点にする考えです。しかし、グアム移転は、普天間移設の停滞を理由に米議会が予算を認めないため進みません。日本も負担軽減のためグアム移転と施設・区域の返還は進めたいところです。そこで普天間移設と切り離し、動かせるところを動かそうとしているんです。
Q それでうまくいくの?
A 施設・区域が具体的にいつ返還されるのかはまだ分かりません。普天間移設も沖縄の人たちの反対が強く、見通しは立っていません。
毎日新聞 2012年05月14日
政治部 西田進一郎
【from Editor】お定まりの日本人像にうんざり
2012.05/17 (Thu)
上映前のトークイベントで、日韓双方の出演者やスタッフが、やたら「日韓友好の懸け橋に」と連発するので、逆にイヤな予感がしていたのだが、案の定だ。日本統治時代の朝鮮に渡り、植林事業などに貢献した浅川巧(たくみ)(1891〜1931年)の生涯と朝鮮人青年との友情を描いた映画『道〜白磁の人〜』(高橋伴明監督、6月9日公開)のことである。浅川のように朝鮮の発展のために尽くし、真摯(しんし)な態度で朝鮮の人たちと接した日本人を取り上げたのは大いに評価していい。だが、「浅川=善」と対比させるために、「お定まりの日本人像=悪」が登場するのはいただけない。日本軍人が電車で座っていた朝鮮人のお年寄りを「じじい」呼ばわりした上、席から追い払ったり、独立運動のデモをしている朝鮮人の若者たちに向けて、日本軍がいきなり発砲して撃ち殺したり…。オイオイ、そんな極悪人ばかりじゃないだろう?
日本の朝鮮統治で「差別や暴力がなかった」というつもりはない。統治時代当初の『武断政治』の時代と、1919年3月1日に起きた大規模な抗日運動「3・1独立運動」以降の『文化政治』の時代とでは、日本の統治方針が大きく変わった(本作は、武断政治の時代)ことも知っている。
それでも、多くの日本人は浅川のような人たちだった。高い志と情熱を持って朝鮮の近代化のために身を投じたのである。日本統治時代に育った朴贊雄氏は「日本統治時代を肯定的に理解する」(草思社)にこう書いているではないか。《日本による植民地化は、朝鮮人の日常の生活になんら束縛や脅威を与えなかった》《日本の植民地になったおかげで、文明開化が急速に進み、国民の生活水準がみるみるうちに向上した》と。
日本に3度勤務した洪●・元駐日韓国大使館公使(現・桜美林大学韓国文化言語学堂長)によれば、戦後60年以上たっても「反日」がなくならない理由は「感情」ではなく「イデオロギー」だから、であり、「反日」を意図的に煽(あお)る勢力が日韓に存在するという。“ワルの日本人”が描かれるたびにイメージは固定化され、増幅されていく。揚げ句は「従軍慰安婦」「強制連行」など統治時代には存在すらしなかった言葉まで独り歩きしてしまうのだ。
真に日韓友好を願うなら、芸術分野ぐらい勇気をもって「お定まりの日本人像」から脱却してはいかがだろう?
●=榮の木が火
産経新聞 2012.5.11
文化部編集委員 喜多由浩
木語 「領土」は止まらない
2012.05/17 (Thu)

13日の日中首脳会談は尖閣諸島問題で激しい応酬になったという。尖閣諸島は東シナ海だが、中国は南シナ海でもフィリピンとここ1カ月以上も対立を続けている。
現場の中沙諸島スカボロー礁は中国名「黄岩島」、フィリピン名「パナタグ礁」。ここで両国の巡視船や漁業監視船が中国漁船の周りでにらみ合っている。
それにしても中国外務省の対応は尋常でない。武力行使までほのめかすというきわどさだ。双方の国内では愛国世論が沸騰し、愛国大衆が相手国の大使館の前でデモをした。
北京のフィリピン大使館前に集まった大衆の数はさほど多くないが、リーダーの姿は2010年秋に起きた反日デモにそっくり。「忍無可忍」(我慢ならない)と書いた赤い横断幕を持ち、直立不動の姿勢。大学生には見えない。「戦争を望む退役軍人だ」と名乗るという。背後に軍と関係のある組織がありそうだ。
ネット世論も激しく燃えている。中国中央テレビの時事解説番組で女性キャスター、和佳(ホーチア)氏がこの問題を取り上げた。興奮のあまり「黄岩島は」と言うところを「フィリピンは」と言ってしまった。瞬間表情が固まったが、舌は止まらない。「みなさんご承知のように、フィリピンは中国固有の領土です」
和氏は番組の中では訂正せず、後で自分のブログでわびた。すると激励の書き込みが殺到した。「あんたは英雄」「フィリピンは100年前に中国人が移住したのだから中国領」「日本人に釣魚島は中国領土だと言ってくれ」
インターネットの書き込みとはいえ、えたいの知れない社会のうねりを感じる。
ある富豪のブログも話題になった。「雇っているフィリピン人メイドの首を切った。『職ならおまえたちの大統領に探してもらえ』と言ってやった」
中国とフィリピンの軍事力の差は歴然としている。フィリピンは米国と同盟を結んでいるが、米国は「外交的解決を望む」としか言わない。中国が危機感を抱く必要があるのか。
フィリピンが経済制裁を口にすると、中国は先手を打ってフィリピン産農産物の輸入停止、旅行団引き揚げと逆制裁を実行し、打撃を与えた。中国指導部がここまでするのは、薄熙来事件など国内の混乱から外に大衆の目をそらせたいのではないか。
16日から7月いっぱい、現場は休漁期入りし中国漁船は引き揚げるという。愛国のうねりもしばらくおさまるだろう。いや、東シナ海に向かってくるかもしれない。要注意。
毎日新聞 2012年05月17日
専門編集委員 金子秀敏
【近事片々】古臭い言い方
2012.05/17 (Thu)
古臭い言い方だと<何の顔(かんばせ)あってまみえんや>。早い話が<どの面下げて>。
まこと失敬ながら、元首相殿の沖縄での弁明を拝見するに、思うのはそのこと。
◇ ◇
ついに再選挙、ギリシャ。どうか、時を空費する雄弁から争いを団結に昇華する哲学へ。
◇ ◇
JR東日本、施設の落書き防止に反射材入り特殊塗料を導入と。不届き者よ、心を照らせ。
◇ ◇
初夏の東京湾に脱走ペンギン出没。心なしか、自由を楽しむような顔に見えるのは、わが人間世界の不自由さゆえか。
◇ ◇
<大干潟立つ人間のさびしさよ> 野見山朱鳥(あすか)
毎日新聞 2012年05月16日
時代を駆ける 若林克彦/4
2012.05/17 (Thu)
偶然手にした「運命」◇KATSUHIKO WAKABAYASHI
《ものづくりの情熱に火をつけたのは、高校時代に出会った一冊の本》
書店でたまたま「発明は誰にもできる」という本を手に取ったんです。中には、特許の申請方法やら、発明の実例やらがいっぱい書いてある。ちょっとした発明で巨万の富を得た主婦の話だとか、刺激を受けたねえ。発明がお金になるなら、会社に勤めるよりずっとええと思ったんですね。
《大阪工業大入学から間もなく「定量付着インク瓶」を発明する》
ボールペンなんかまだ出回ってない頃で、ペン先をインク瓶に浸して使っていたんですね。ところが、瓶が深いから付き過ぎることがあって、インクがぼたっと落ちて書類を汚したりする。
そこで思い出したのが疎開先で見た、鶏に定量の水を与える器。これをヒントに、空気圧を利用してインクの水位を一定にする仕組みを考え出したんです。実用新案を取り、大阪市内の文具メーカーに持ち込むと、権利がなんと30万円で売れた。大卒初任給が数千円の頃です。半分は親に渡し、残り半分は学費に充てました。
《発明のタネは必ずある、と自信を深めた》
世の中には不便なものがいっぱいあるのに、それを不便と思わないでみんな我慢してたのね。インク瓶にしても、汚れるのはしょうがない、吸い取り紙で拭けばいい、そういうもんだと。だから逆に、自分が不便やと思うものを一つ一つ見ていけば、その先には必ずアイデアがあると思った。
《大学を卒業してバルブメーカーに就職、設計を担当する。数年後、大きな転機を迎えた》
設計の資料を入手しようと、大阪市内で開かれた国際見本市に出かけた時のことです。ある出展企業から、見本として押しつけられるように渡されたのが「戻り止めナット」。ナットの穴の内部に組み込まれたスプリングの働きで、緩みを防ぐ仕組みでした。それを家に持ち帰り、じっと1時間ぐらい眺めているうちに、さらにいいアイデアがひらめいたんです。
それまでナットやボルトに特別な興味はなかった。あの1個をもらったのが、僕の運命の分かれ道だったんやろうね。
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聞き手・井田純
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■人物略歴
◇わかばやし・かつひこ
「緩まないネジ」を開発したハードロック工業社長。
毎日新聞 2012年05月11日
【毎日社説】ギリシャ再選挙へ ユーロ圏全体の試練だ
2012.05/17 (Thu)
ついに世界が案じていた事態となった。6日に総選挙を実施したばかりのギリシャが、新政権樹立に失敗し、再び選挙を行う。欧州連合(EU)と約束した財政緊縮策の破棄を求める勢力が勝てば、EUによる追加支援の取り消し、ギリシャのユーロ離脱という、世界がさらに案じる事態に大きく近づきそうだ。民主主義国家の国民が選挙で示した意思は当然、尊重されねばならない。先の総選挙では投票者の6割超が緊縮策に反対する政党を選んだ。
これまでの緊縮策により、多数の国民が困窮にあえいでいる現状を思えば、それも理解できる。生活苦や展望のなさから自ら命を絶つ人の数も増えているという厳しさなのだ。
しかし、ギリシャに突きつけられた選択肢を有権者が冷静に評価し、納得した上での意思表示だったかといえば、恐らく違う。世論調査によると、大半の国民が緊縮策を否定しながらユーロ圏残留も望んでいる。緊縮策拒否なら、EUなどからの支援が止まり、債務不履行、ユーロ離脱につながる、と国外の人たちが考えているのとは大きな開きがある。
6日の選挙で第2党に躍り出た急進左派連合など国民の不満の受け皿となった党は、緊縮策拒否がもたらす結末を正直に語っていない。
選挙前に連立与党だった旧2大政党も説明不足だった。新たな選挙戦では、国際支援がなくなるとギリシャ経済が今以上に混乱し悪化するということ、その支援を受け続けるには、緊縮策や構造改革を受け入れねばならない現実があること、などを説明し理解してもらう責任がある。
大きな選択を迫られているのは、ギリシャ国民だけではない。
今、ギリシャがユーロから離脱すれば、ギリシャ経済の長期混迷にとどまらず、欧州全体が、ユーロの解体とそれに伴う前例のない混乱へと突き進むことになろう。当然、世界経済も甚大な打撃を免れまい。
「ユーロ離脱の前例を作らない」というユーロ圏全首脳の強い決意表明と、それを裏付ける行動が求められている。緊縮策一辺倒でギリシャを追い詰めるのでは、もうもたない。
その意味で、オランド仏新大統領の役割に期待したい。大統領と初の首脳会談を行ったメルケル独首相が、ギリシャの成長を促す策に前向きな反応をしたのは良い兆候だろう。
問題は、時間である。ユーロ離脱が現実味を帯びてきたギリシャでは、銀行預金の流出がすでに始まっている。動きが本格化し、周辺国に波及する恐れもある。そうなってからでは手遅れだ。
ギリシャ人、そしてユーロ諸国全体が、正しい選択をしてくれるよう祈らずにいられない。
毎日新聞 2012年05月17日
【産経抄】
2012.05/17 (Thu)
「恥を知れ」を校訓としている学校がある。東京都千代田区に本部を置く大妻女子大学である。女性だけではない。男性にこそ必要な言葉だ。自民党の野中広務元官房長官はそう考えているに違いない。「男は恥を知るものだ。のうのうと沖縄に来て、県民に泥をかけるのか」。沖縄復帰40周年の記念式典会場で、鳩山由紀夫元首相を見かけて、苦言を呈したという。きのうの読売新聞が報じていた。
野中氏の怒りは理解できる。自民党政権下で進められてきた、米軍普天間飛行場の移設のための話し合いを台無しにしたのが、鳩山氏だ。衆院選前の沖縄で訴えた、「最低でも県外(移設)」の公約は、今から振り返れば詐欺に等しい。
案の定、政権奪取後その舌の根の乾かぬうちに自らの主張を撤回して、移設先を名護市辺野古地区とする日米合意を結んでいる。その後も、日米同盟を維持しながら、地元の負担を少しでも軽くしようと奔走する人たちを、愚弄するような発言を続けてきた。
今回も鳩山氏は「のうのう」と沖縄を訪れただけではない。「『最低でも県外』という気持ちを果たさなければ、沖縄の皆さんの気持ちを十分理解したと言えない」。宜野湾市での講演で、首相時代の決定を再び覆してしまった。外務省の中止要請を振り切って、イランを訪問し、まんまと利用されて帰ってきてから、まだ1カ月ちょっとしかたっていない。
大妻女子大学の創立者、大妻コタカによれば、「恥を知れ」とは、自分の良心に自ら鞭(むち)打つ、自己反省の糧となる言葉だという。鳩山氏も、自分に向かって言ってみたらいかがだろう。どんな苦言も、この人には蛙(かえる)の面になんとかだと、わかってはいるのだが。
産経新聞 2012.5.17
【憂楽帳】しばしの爽快感
2012.05/17 (Thu)

新緑の山肌にピンクのアカヤシオが映える−−。今月上旬、鈴鹿山系の御在所岳(三重県菰野町、標高1212メートル)を登った。複数あるルートのうち、かつて修験者が利用した痕跡も残る「表登山道」を選択。薫風を浴びながらの一歩一歩。あふれる汗さえも心地よかった。
いよいよ登山シーズンの到来だ。が、全国等しく、というわけではない。福島県では「山開き」の行事を中止するケースが出ている。福島第1原発の事故後、登山道などの除染が進まず、健康被害への不安が消えないためという。市街地のそれもままならない中、致し方ない面もあるが、悲劇がこんな形で尾を引くとは……。春を待ちわびたハイカーらはやりきれないだろう。
登り口から2時間ほどで頂上に。晴れ渡ると北西に琵琶湖も遠望できるが、春霞(はるがすみ)のいたずらでかなわなかった。その方向をしばし眺めていて、我に返った。琵琶湖の先には焦点の大飯を含む原発銀座があり、ここも100キロ圏内に入っている……。爽快感が急速にしぼんでいった。【松本宣良】
毎日新聞 2012年05月16日
【爺放談】旅の日
2012.05/17 (Thu)

暦に、きのうは「旅の日」とあった−旅を愛する作家や編集者、歌人、写真家らでつくる「日本旅のペンクラブ」が旅の心、旅人とは何かをあらためて考えようと24年前に設けたという。
なぜこの日なのか!松尾芭蕉が奥の細道に旅立った元禄2年3月27日が、西暦では1689年5月16日に当たるからといい、ちなみに同クラブは半世紀前の設立時から会長は旅の歌僧西行、副会長は芭蕉としているそうだ。
「漂泊」がぴったりする正副会長とは比べられないが、現代人の旅はいかにも慌ただしく、国民1人当たりの国内観光旅行の宿泊数は2010年度で約2・4泊にとどまり、この年度までに4泊以上とした政府目標は実現できずじまいといい、海外への旅行も5日以内が約6割を占めた。
時間と先立つものさえあれば、多くの人がのんびりと旅を楽しみたいと考えているだろうが、日本の企業はまだまだ連続休暇が取りにくく、親子の休みを合わせることも難しい−所得の目減りや老後の生活設計への不安といったマイナス要因も加わる。
知らない街を歩いてみたい どこか遠くへ行きたい 知らない海をながめていたい…と、旅のペンクラブの会員でもある永六輔さんが作詞したヒット曲「遠くへ行きたい」は、旅好きには理想の世界のようでもある。
テレビからは日々さまざまな紀行番組が流れてくるが、「いつか行きたい」という夢にとどまりそうだ。
【5/17誕生花】しらん
2012.05/17 (Thu)
花言葉 互いに忘れないように 
紫の花を咲かせるラン科の多年草で、漢字で紫蘭と書きます。古くから薬草として重宝され、中国では肺結核の薬としても使われます。
■今日生まれのあなたは・・・
華やかな世界にひかれ 物欲、名声欲が強いタイプ。気性が激しく、人一倍の努力家なので夢をかなえる可能性もけっしてなくはありません。要はあなたのやる気しだい。
【夕歩道】
2012.05/16 (Wed)
中日の浅尾投手が二軍落ち。中継ぎ王も、今季序盤は調子が不安定。横綱白鵬は、まさかの三連敗。やはり生身の人間に、絶対はありえない。だから愛すべきプロ野球。だからいとしき大相撲。立夏すぎ。気温は依然上がったり、下がったり。湿った空気も上昇したり、下降したりで不安定。この日本でまさか、まさかの大竜巻も。結局天変地異は予測不能。だから畏敬すべきは大自然。
数日ごとに、電力不足の数字が変わる。本当は、足りるの、足りないの。計画停電、するの、しないの。風力や太陽光は不安定だとおっしゃるが、原発依存の電力会社、あなたはもっと不安定。
中日新聞 2012年5月16日
外信コラム【ソウルからヨボセヨ】南ネズミVS北ブタ
2012.05/16 (Wed)

韓国で代表的な悪口は「セッキ」だ。元は動物の子のことだが「この野郎」という感じでよく使う。語学留学当時、街で屋台のオヤジに試しに使ってみて、怒ったオヤジに追っかけられたほど、その“効果”は絶大だ。だから日本人の「関さん」など韓国では自己紹介しにくい。
ところで北朝鮮は最近、韓国の李明博大統領に対し連日のようにこの言葉を使って誹謗(ひぼう)中傷を繰り返している。それも「チュイ(ネズミ)・セッキ」といっている。
外国人には実感しにくいが、この地の伝統文化としては、こういう悪口を公式に口にすることは実に恥ずかしいことになっている。北朝鮮の品のなさを物語ってあまりあるが、ちなみにこの地での「ネズミ」はずる賢いイメージとか。
ところが韓国では北での「金正恩登場」に際し、マスコミやネットなどに3匹並んだ「ブタ」のイラストがたくさん登場した。人民は飢えてやせているのに指導者だけが肥えているという皮肉である。
ただブタは貯金箱に描かれるように、この地では「福」のシンボルでもある。だから「3匹のブタ」では批判の効果はなかったかもしれない。今回、「セッキ」を連発する北の下品さに、韓国人はますます民族的違和感を覚えている。(黒田勝弘)
産経新聞 2012.5.12
【なるほドリ】ギリシャの政治、なぜ注目されるの?
2012.05/16 (Wed)
◇信用不安の連鎖を警戒 ユーロ安進めば日本にも影響なるほドリ ギリシャの総選挙が注目されているのはどうして?
記者 ギリシャに端を発した金融市場の混乱が、再燃するのではないかと心配されているからです。ギリシャは09年10月、公表されているよりもたくさん財政赤字(ざいせいあかじ)があることが発覚。ギリシャの国債は信用を失って市場で買ってもらえなくなり、資金繰りに行き詰まって、国が破綻(はたん)する危機に陥(おちい)りました。欧州連合(おうしゅうれんごう)(EU)と国際通貨基金(こくさいつうかききん)(IMF)が今年3月までに2度の金融支援を決め、民間銀行が保有する同国債の元本を半減する借金棒引(しゃっきんぼうび)き策で、大混乱を何とか回避しました。救済策はギリシャが税収を増やし、歳出を減らす財政緊縮策(きんしゅくさく)を実行することが条件です。しかし、5月6日に行われたギリシャの総選挙では、緊縮策をまとめた連立政権が敗れ、もう一度総選挙を行いそうです。「緊縮策が実行されないのでは」という心配が広がっています。
Q ギリシャだけの問題じゃないの?
A 大きな財政赤字の国はギリシャ以外にもあります。スペインやイタリアでは、高い金利を払うことを前提に国債を発行しないと、売れなくなっています。国債の価値も下がるため、ギリシャやスペインなどの国債を大量に保有し、その損失処理(そんしつしょり)を迫られた欧州の大手銀行にも信用不安が飛び火しました。欧州債務危機(さいむきき)と呼ばれています。EUは今年3月、債務危機に直面した国を支援する基金の財源を8000億ユーロ(約82兆円)に増額。公的資金を投入して欧州の銀行の資本増強を助ける方針です。また、欧州中央銀行(ECB)が巨額の資金供給を行って銀行の資金繰りを支え、危機拡大を抑え込みました。
Q ギリシャの再選挙の結果次第で、危機が再燃するのかな。
A 同国の10年物国債利回(りまわ)りは20%を超え、買い手が付かない状態です。支援が止まれば、ギリシャが再び破綻の危機に直面する恐れがあり、市場ではギリシャが最終的に通貨ユーロから離脱(りだつ)するとの観測も出ています。ユーロが信用を失って円高・ユーロ安になれば、日本の輸出産業にとってもマイナスです。危機が連鎖しないための対策も取られていますが、「財政緊縮策を実行しないという約束破り」は国の信用を落とし、市場が混乱する可能性があります。
毎日新聞 2012年05月13日
経済部 谷川貴史
【甘口辛口】「野球が面白くなくなった」と評判が悪い
2012.05/16 (Wed)

ホームランが激減し、「野球が面白くなくなった」と低反発の統一球はとかく評判が悪い。プロ野球選手会からも見直しの申し入れがあったが、実行委員会などが開かれた14日、加藤コミッショナーは「不断の検証を続けている。日本の野球の権威に関わること。朝令暮改はしない」とはねのけた。
同じ日に、選手会は外国人と育成選手を除く支配下選手731選手の今季の年俸調査結果を発表した。球団別の平均年俸では杉内、村田の大型補強を敢行した巨人が、5894万円で4年ぶりにトップに返り咲いた。それでも、やっと勝率5割でいまのところ成績と年俸は比例していない。
12球団で最もコストパフォーマンスがいいのは、2715万円で11位の広島だろう。エース前田がノーヒットノーランを演じ、ルーキー野村が期待通りに投げ、打者では3年目の堂林が急成長。ファンに夢を与えている。「舞い戻りや、賞味期限切れ選手ばかり」と陰口をたたかれるDeNAは、成績同様、年俸も2399万円の最下位はやむなしか。
平均年俸は前年比115万円減(3816万円)。「ダルビッシュら大物のメジャー移籍が原因」との分析がある。一方で統一球の影響で打者は個人成績は上がらず、年俸が抑えられたという。昨年球団別で1位の阪神が、顔ぶれはほとんど変わらないのに317万円減(5229万円)の2位だったのも「統一球の影響では…」と関係者は指摘する。
飛ばない統一球では圧倒的に有利で、二流投手でも一流に見えるのが投手。反対に、頑張っても正当に評価されないのが打者。統一球がそのままなら、打者の査定方法を考え直さないと投打の格差は広がる一方だろう。 (今村忠)
サンケイスポーツ 2012.5.16
牧太郎 全て“外れ馬券"で学ぶ
2012.05/16 (Wed)
競馬大好き人間だから、人生で“大事なこと”は全て「外れ馬券」で学んでいる。ついこの間も「絶対はない!」ことを教えてもらった。
4月29日、京都競馬場で行われた「天皇賞・春」。去年の3冠馬、オルフェーヴルが単勝1・3倍の圧倒的な1番人気。少なくとも3着までに“絶対に”入る!というのが評判だった。
当方、万馬券を狙う“穴党”だが、今度ばかりは……相手の顔ぶれを見てもオルフェーヴルは圧勝するはず。大多数のファンが「絶対」を信じた。
ところが……2周目3コーナー。いつもなら、この辺りでエンジンがかかるのだが、池添謙一騎手が必死に手綱をしごいても、オルフェーヴルは前に進まない。後方3番手のまま。
8万人の観客がどよめき、やがて悲鳴に変わる。
全く“想定外”だった。14番人気のビートブラックが優勝。現役最強馬は11着。三連単は145万2520円。100円が145万円になった。
「絶対」はない。世の中「他に比較するものや対立するものが無い状態」なんてあり得ない。「他の何者にも制約や制限がされない状態」なんてあり得ない。
しばしあぜん、ぼうぜん……また学んだ。
競馬には数々の「格言」がある。「1格、2調子、3展開」。大レースほど血統や実績などの「格」を重視せよ!という教え。「血統信ずべし、信ずべからず」「単騎の逃げ馬を狙え!」「同厩舎(きゅうしゃ)人気薄は買い!」……馬券の教えは「人の一生」の節目で当てはまる。そして究極の教えは「ギャンブルは胴元(=国庫)が勝つ!」。外れ馬券のヤマが「人生、引き際が大事!」と教えてくれる。二度と馬券なんて買わない!と決意する。
しかし……競馬がなくなったら……以前、作家の渡辺淳一さんに「僕にとっては小説を発表するのが最大の賭け。だからギャンブルは一切しない」と言われたが……日ごろ、受け身の人生を強いられている当方、僅かな小遣いで、最大限「攻めの立場」になれるのは競馬以外ないんだ。そう簡単に、やめられるか!
名馬シンザンを育てた調教師・武田文吾さんは「辛抱は金の棒なり」と言った。何事も辛抱が大事! 辛抱していれば、やがて幸福馬券がやって来る。20日はオークス、27日は競馬の祭典・日本ダービーだ。
毎日新聞 2012年05月15日
専門編集委員 牧太郎
【近事片々】沖縄復帰40年
2012.05/16 (Wed)
40年前、雨の那覇で式典。屋良朝苗(やらちょうびょう)知事は眉間(みけん)の縦じわ深く「復帰の内容は必ずしも県民の切なる願望が入れられたとはいえない」と苦渋をにじませながら「新しい永遠の命の誕生。平和で明るい豊かな県づくりを」と悲願を。今その答えは。◇ ◇
「配慮」の印か、政府は国営首里城公園を県へ移管するという。1853年、米海軍ペリーが海兵隊と砲で威嚇しながら強引に入城。79年、日本政府の処分官が兵を率いて乗り込み、一方的に沖縄県開設を宣した「琉球処分」。1945年、ここに守備軍司令部を置いた沖縄戦。
「歴史」の印に思い致そう。
◇ ◇
<大蟻(おおあり)の雨をはじきて黒びかり> 星野立子
毎日新聞 2012年05月15日
時代を駆ける 若林克彦/3
2012.05/16 (Wed)
発明の原点は疎開時代◇KATSUHIKO WAKABAYASHI
《生まれは今の大阪市阿倍野区。戦争中に疎開を経験した》
父は長野県、今の東御(とうみ)市出身で、大阪に出て食品販売会社に勤めていました。私の下に弟が2人、妹が1人おりました。ところが戦争が起きて、大阪にいたら危ない、「丸ごと向こうに行った方が安全や」ということで、家族で父の郷里に疎開することになったんです。長男の私が10歳ぐらい、小学校(国民学校初等科)に通っていた頃でした。
何しろ一番困ったのが言葉。今はテレビのおかげで、大阪弁が通用するでしょう。当時は全然通じない。まだ子供だから、加減もできないで大阪弁をもろに出すと、みんなが面白がってからかうのね。よそ者ということでいじわるされるという体験をしました。
《だが人生初の発明は、疎開先のそんな暮らしの中から生まれた》
周りは農家が多くて、春になると、畑に種をまくわけです。大人たちが腰をかがめて、手作業で一つ一つまいていくんですね。子供の目で見ても大変そうでね。それで考えたのが種まき機というわけなんです。
中に種が入るような形で空洞の車輪を作り、周囲には一定の間隔で穴を開けておく。その車輪に柄を付けて、畑の上で転がせば、種が一つ一つまかれる仕組みです。
これを地元の人が喜んでくれてね。親密というか、ようやく受け入れられたような感じがした。アイデアを形にする「発明」というのはこうして喜ばれるんだ、と。それが最初なんでしょうね。もっとも、廃材のブリキ板を裁縫用のはさみで切るもんだから、はさみがだめになる、と母には怒られました。
《自分で手を動かして物を作る楽しさを知る》
遊ぶ道具なんか何もない頃ですから、ブリキで電車やら船やらを作りましたね。蒸気エンジンのピストンでスクリュー回して、池に浮かべて遊んだりしました。
戦後もしばらくは長野に残り、地元の工業学校に通いました。大阪に戻る時には皆が「もう帰らずにこっちにおれ」と言ってくれた。せっかくなじんだのに、と残りたい気持ちもありました。
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聞き手・井田純
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■人物略歴
◇わかばやし・かつひこ
ハードロック工業社長。著書に「絶対にゆるまないネジ」。78歳。
毎日新聞 2012年05月10日
【読売社説】夏の電力対策 節電頼みでは綱渡りが続く
2012.05/16 (Wed)
これで夏の電力危機を防げるのか。綱渡りの毎日が続きそうだ。政府が今夏の節電対策案を発表した。内容を詰めた上で、近く最終決定するという。
対策案は、定期検査を終えた原子力発電所が再稼働せず、全50基が停止したまま猛暑となったケースを想定したものだ。
関西電力に15%、九州電力は10%など7社管内に5〜15%の数値目標を設けて節電を要請する。
関西、九州、北海道、四国の4電力には計画停電の準備を求める。電力不足が最も深刻な関電管内は今後、大規模な工場などに節電を義務づける電力使用制限令の発動も検討するという内容だ。
電力需要の急増に供給が追いつかず、突発的な大停電が起きれば経済や生活が大混乱する。場合によっては人命にもかかわろう。
企業も家庭も節電に励み、最悪の事態を回避したい。
しかし、政府の対応策が、供給力に少し余裕のある中部、中国、北陸、四国の4電力管内にも5%などの節電を求め、関電管内に電力を融通する仕組みを前提にしていることは疑問である。
融通側の4電力も、老朽化した火力発電所をフル稼働するなどギリギリで、発電所が故障で止まる可能性は通常より高いはずだ。融通分をあらかじめ関電の供給力に上乗せするリスクは大きい。
4社の融通を計算に入れないと関電の節電目標は15%から20%に上がる。その場合も想定し、対策を練り直す必要がある。
大幅な節電は、経済や生活にダメージを与える。
昨夏、電力制限が実施された東京電力と東北電力の管内では、企業が工場の操業を土日に移すなどの工夫をしたが、従業員への負担は大きかった。生産体制の縮小や、停電を懸念した海外移転の加速など様々な問題も顕在化した。
猛暑になれば、エアコンを我慢した高齢者の熱中症など、無理な節電の健康被害も心配だ。節電はあくまで「窮余の策」である。
福井県の大飯原発2基を再稼働すれば、関電管内の電力不足はほぼ解消する。
ところが、関電の大株主でもある大阪市の橋下徹市長は、再稼働反対の立場から「電力使用制限令を認識、経験するのも必要かな」などと述べた。電力不足の悪影響をあまりにも軽視している。
地元のおおい町議会が再稼働に同意するなど、打開への動きもある。政府は夏までの再稼働実現に向け、全力を挙げるべきだ。
読売新聞 2012年5月16日
【産経抄】
2012.05/16 (Wed)
経済白書が「もはや戦後ではない」という有名な言葉をはいたのは昭和31年のことである。朝鮮戦争の特需などで経済が急速に回復し、この年から「神武景気」が始まる。それを受けての「宣言」だった。だが一方で昭和47年こそ「戦後の終わり」だとする見方もある。この年の2月に戦後27年、ジャングルに潜んでいた元陸軍伍長、横井庄一さんが帰ってきた。戦後の左翼運動の行き着いた先を示すような連合赤軍事件やテルアビブ事件が起きた。5月に沖縄が復帰し、9月には中国との国交正常化がなったからだ。
特に沖縄返還をめぐっては佐藤栄作首相が「祖国復帰が実現しない限り戦後は終わっていない」と述べ、多くの共感を呼んだ。しかし復帰は同時に、平和に対する幻想を国民に抱かせた。戦後の冷戦構造が去り、米軍がいなくとも日本の平和は守れるという勘違いだった。
このため沖縄の米軍基地について常に「本土の犠牲」とか「負担」という声が聞かれ、邪魔者扱いにもされてきた。だが復帰から40年たった今、日本の守りはむしろ厳しさを増す一方だ。とりわけ沖縄の一部、尖閣諸島への中国の攻勢は日に日に強くなっている。
野田佳彦首相と温家宝首相との尖閣をめぐる応酬の中で、温首相は「核心的利益」という言葉まで使ったという。もはや「尖閣はよこせ」という恫喝(どうかつ)にも聞こえる。そうした危機感抜きで米軍の駐留を論じるのはあまりに無責任というものだ。
佐藤元首相の復帰にかけた思いは痛いほどわかる。だが、憲法改正を急ぐなど、戦後体制の枠組みから脱却しないことにはその沖縄を守ることも難しい。胸を張って「戦後は終わった」とはいまだに言えないのである。
産経新聞 2012.5.16
【憂楽帳】一切れのパン
2012.05/16 (Wed)

第二次世界大戦のさなか。敵軍に捕まったルーマニア男性が、押しこめられた列車から脱走する。車内で親しくなった老人が別れ際、ハンカチの包みを渡して言う。中にパンが一切れ入っています。パンがあると思うと、ずっと我慢強くなります。すぐ食べず、できるだけ包んだまま持っていなさい。
ムンテヤーヌの小説「一切れのパン」の中の話。戦地をさまよう男性は飢えに苦しみ、何度も決意する。パンを食べよう。だがハンカチ包みを触っては老人の言葉を思い出し、とどまる。
恥ずかしながら最近「コンプガチャ」という言葉を知った。希少な品物を求めて有料ゲームに熱中する例は昔からあるが、コンプガチャで得られるのは携帯電話の画面に映るだけの「カード」とか。実物が手に入るものと思い込んでいたら同僚に笑われた。
くだんの男性はなんとか家に戻り、包みを解く。出てきたのは木片。彼は老人に感謝する。手で触れることの大切さ。触れられないむなしさ。ネット社会に生きる私たちは「一切れのパン」を支えにできるだろうか。【須山勉】
毎日新聞 2012年05月15日
【爺放談】伯父さん
2012.05/16 (Wed)

フランスのジャック・タチが監督・主演した「ぼくの伯父さん」は1958年のアカデミー外国語映画賞を受賞した佳作なのは、エスプリとぬくもりに富んだ作風を思い出す映画好きもいる。
少年の「ぼく」は社長のパパよりも、ママのお兄さんで下町でのんびり気ままに暮らす伯父さんと心が通うため、一緒に遊びながら、ちょっとした悪戯(いたずら)の楽しさも覚えてしまった。
伯(叔)父、伯(叔)母は甥や姪からするとなんとなく不思議な存在でもあり、<距離が微妙だ。近くて遠く、遠くて近い。生まれたときからずっと親しんでいるわけではないのだが、ある日、なにかのはずみに「あ、近い」という感覚に襲われ…>−評論家の芝山幹郎さんの−文が巧みだ。
<甘える対象というよりは、興味の対象。親しみを覚えつつ、その人のことをなにかと知りたくなってしまう>という見方も分かるし、両親とは別な息づかい、生き方を知ることで、世界が広がり子供は成長してゆくと。
ご当人たちは意識していないが、結果的に甥、姪が大人に近づいていく手助けをしている−それも、伯父さん、伯母さんの役回りなのかもしれない。
親子ほどにべったりではなく微妙な距離感のある関係の方が、ややもすると教育効果が上がるのかも−だが少子化で一人っ子が増え続ければ、「あ、近い」と感じる存在が、いずれは「貴重な存在」になってゆくだろう。
【5/16誕生花】アリウム・ギガンチウム
2012.05/16 (Wed)
花言葉 無限の悲しみ 
アリウムはラテン語でニンニクの意味。ねぎの仲間ですが、茎の微妙な曲線や、花の紫色の美しさから観賞花として楽しまれています。
■今日生まれのあなたは・・・
おっとりしていて話し方や行動もスローぺース。しかし持続力は抜群。粘り強くわが道を行くタイプです。
【夕歩道】
2012.05/15 (Tue)

沖縄の那覇は、もともとは「なわ」と呼ばれたのだそうだ。沖縄の「なわ」と同じでなば(魚場)から転じたという。昭和九年、日本放送協会用語委員会の決定に基づいて「なは」に統一された。
よみたん(読谷)という地名がある。元はゆんたんざ(読谷山)村。四方田狭とも書かれたという。四囲が山の地。戦後、読谷村に改称。米軍の地図にYONTANと記されていたからともいう。
地名の由来はその土地の歴史をよく映す。沖縄の場合はとりわけ外からの口出しが多いよう。地名なぞそのごく一部。いや地名までもというべきか。その苦い歴史、よく振り返るべき復帰四十年。
中日新聞 2012年5月15日
外信コラム【ポトマック通信】呉越同舟の野球場
2012.05/15 (Tue)

ワシントン・ナショナルズが好調だ。日本での知名度は低いが、首都に本拠を置くれっきとした大リーグのチーム。記者が赴任した2010年から3シーズン目で初めて、18勝12敗(10日現在)とナショナル・リーグ東地区のトップとなった。
実際、弱かった。カナダのモントリオール・エクスポズが身売りしてワシントンに来たが、鳴かず飛ばず。ドラフト1位で、時速160キロを出す新人投手ストラスバーグをとったが、肘をこわして昨シーズンを棒に振り、ワシントンっ子をがっかりさせた。
週末に球場へ足を運んだ。昨シーズンならガラガラだったのに今年は好調なせいか、安いチケットが完売。相手がフィラデルフィア・フィリーズという強豪だったので、仕方なく冷蔵庫や電子レンジ完備の個室部屋のチケットを買った。
スペイン語を話す金持ち風の家族が部屋と外の内野席を行ったり来たり。敵チームのファンで、ナショナルズが点を入れると大げさに悲しみ、フィリーズが点を入れるとこちらにハイタッチを求めてくる。
敵チームに点を取られてうれしく感じたのは初めてだ。敵味方がはっきり分かれがちな日本の球場では経験したことがなかった。みな勝ち負けにこだわらず、週末のイベントを楽しんでいた。(佐々木類)
産経新聞 2012.5.11
【なるほドリ】マイナンバーって何の番号?
2012.05/15 (Tue)

◇社会保障・税の情報集約 プライバシー漏えいの懸念
なるほドリ 「マイナンバー」って言葉をよく聞くようになったよ。何の番号のこと?
記者 政府は、国民全員に一つずつ番号を割り振って、年金の受け取りや医療費(いりょうひ)の支払いなど社会保障(しゃかいほしょう)サービスの利用状況や、国税や地方税をどれだけ納めているかなどの情報をまとめて管理したい考えです。この番号をマイナンバーと呼びます。
Q どうして一つの番号で管理するの?
A 税金や社会保障に関する情報は、現在は市町村や税務署などで別々に管理しています。一つにまとめて管理すれば、政府はその人の所得や負担を正確に把握でき、税金を公平に納めてもらったり、年金などの給付漏れを防げると考えています。行政の効率化にも効果があると言っています。
Q でも、どうして今、番号制度の話が出てきたの?
A 政府は消費税の増税を目指していますが、消費税は所得が低い人ほど負担が重くなる「逆進性(ぎゃくしんせい)」があります。増税にあたり、政府は所得の低い人に現金を支給したい考えですが、もし給料は少なくても、株などの資産をたくさん持っている人にまでお金を渡すと、不公平ですね。それで政府は、国民の所得を正確に把握する必要が出てきたのです。
Q いつから番号がつくの?
A 消費増税に合わせ、14年6月に番号を交付し、15年1月から利用を始めたい考えです。でもそのためには、今国会に提出されているマイナンバー法案の成立が必要です。
Q ところで、番号はどう使うの?
A 一つの番号に、氏名と住所、性別、生年月日のほか、所得や医療、介護、年金などの情報を結びつけ、顔写真付きのICカードを作ります。カードは年金手帳や健康保険証(けんこうほけんしょう)の機能を持つほか、災害時の本人確認や、治療歴(ちりょうれき)の確認などに応用できる可能性も期待されています。
Q ずいぶんいろんな情報を盛り込むんだね。でも、情報が漏れたら心配だなあ。
A 法案には、情報漏えいに罰則(ばっそく)を設けたり、個人情報が適切に管理されているかを監視する第三者機関を設置することが盛り込まれています。自宅のパソコンで、自分の情報の閲覧記録(えつらんきろく)を確認できる仕組みも導入予定です。でも、いったん情報が流出すればプライバシーが丸見えになってしまうので、番号制度に反対する声は根強くあります。
Q 国民全員にかかわることなのに、番号のことを知らない人も多いんじゃないかな。
A 政府が昨年11月、成人男女3000人を対象に実施した世論調査では、8割以上の人が制度の内容を「知らない」と答えました。重要な制度ですから、導入には幅広い議論が必要ですね。
毎日新聞 2012年05月11日
生活報道部 山崎友記子
クローズアップ 日中韓首脳会談 同床異夢
2012.05/15 (Tue)

◇韓国、交渉後ろ向き
日本、中国、韓国の3カ国は13日の首脳会談で、日中韓による自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉の年内開始や、北朝鮮の核実験阻止に向けた連携で合意した。ただ、FTAは日中韓の温度差から、交渉開始時期を特定できないままで、即時開始を目指した日本のシナリオは崩れた。北朝鮮問題でも、3カ国で圧力をかけたい日韓に対し、中国がどこまで影響力を発揮するかは見通せず、協調姿勢の演出にとどまった。
「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)と日中韓FTAを並行的に追求することで、相互に刺激し合い、すべてが活発化していくダイナミズムを期待したい」。野田佳彦首相が日中韓首脳会談後の共同記者会見で意欲を示した裏で、政府関係者は「韓国がこれほど後ろ向きとは」と落胆、通商戦略練り直しの必要性に言及した。
日本は、米国主導のTPPに加わることで、他の貿易自由化交渉に弾みを付ける戦略を描いていた。実際に昨年11月にTPP交渉参加方針を表明すると、「中国の目の色が変わった」(官邸関係者)。中国は、アジアの経済ルールが日米主導で作られる事態を警戒、日中韓FTAを促す一因にもなった。日本が成長市場のアジア・太平洋地域の通商交渉を主導すれば、アジアと関係を深めたい欧州連合(EU)も日本を無視できない。外務省幹部は「複数の交渉を同時に進めることで日本のポジションは強くなる」と指摘する。
ただ、日本のTPPに関する動きは、民主党の反対論などから足踏み。4月末の日米首脳会談では参加表明を見送った。このため、TPPなどの交渉進展が別の通商交渉を後押しするシナリオは、逆回転を始めたようだ。
中国の温家宝首相は共同会見で「中日韓FTAの年内交渉開始は重大な戦略的決定だ」と強調したが、合意では交渉の具体的な時期を明示せず、即時開始を目指した日本の思惑は外れた。中国は米国主導のTPPへの警戒感が強く、日中韓FTAも、日本をつなぎ留めて米国をけん制するカードと考えていたが、日本のTPP論議停滞で焦りが後退した。日中韓FTAに慎重な韓国に配慮しつつ、ホスト国としてのメンツを維持するため、年内という期限を設けて交渉時期を先送りすることで合意に導いたとみられる。
温首相は「互いの困難と関心に配慮して最大限の互恵を実現すべきだ」とも述べた。自国産業保護のため自由化は緩やかに進めたい考えで、野田首相が描く「高いレベル」のFTAとは温度差がある。
韓国は、中国とのFTAを最優先し、日中韓への関心はそれほど高くない。日韓FTAには「関心自体がない」(通商関係者)のが実情だ。李明博(イミョンバク)大統領は13日、日中韓の経営者がそろったビジネスサミットで「韓国は米国やEUなど45カ国とFTAを締結し、自由貿易のハブ国家だ」と演説した。貿易総額のうちFTA相手国が占める割合は、韓国が日中韓で最も高い。日中の企業でも韓国に工場を造れば、「韓国製」を低関税で米欧に輸出できる利点をアピールし、日中が大市場とのFTA締結に手間取る間に投資を呼び込む考えだ。【北京・西田進一郎、井出晋平、澤田克己】
◇対北朝鮮、日韓と中に温度差
北朝鮮が核実験の準備を進めていることについて、日韓両国が圧力強化による挑発抑止を求める一方、中国側は対話による解決を前面に押し出し、温度差が浮かび上がった。
新華社などによると、温家宝首相は会談で「朝鮮半島情勢の緊張激化を防止することが急務であり、忍耐と冷静さを保ち、善意を示し、対話と協議の正しい道に戻るよう努力すべきだ」と訴えた。中国は北朝鮮のミサイル発射強行に激しいいらだちを覚えているものの、対話を通じて緊張を緩和するという原則的立場は変わらず、発射後も中朝間で高官往来を活発化させている。これに対し、野田佳彦首相は「北朝鮮に国際社会の確固とした意思を伝える」と強調。李明博大統領も北朝鮮の挑発を抑え込むための「より効果的な方法」に言及した。
北朝鮮が核実験に踏み切れば厳しい対応を取る姿勢を日韓両国が明確にしたのに対し、温首相は共同記者会見で「核実験」との言葉の使用さえ避けた。韓国の青瓦台(大統領府)当局者は「温首相は3カ国会談で北朝鮮の経済発展や人民生活向上の重要性を明確にした。挑発よりも経済を優先するよう説得し続けているとの趣旨のようだ」と指摘した。【北京・米村耕一】
毎日新聞 2012年05月14日
エビさんの食べるスポーツ 毎日の補給
2012.05/15 (Tue)

滋賀陸上競技協会の評議員をさせていただいている関係で、びわ湖毎日マラソンの前日に行われたレセプション「歓迎の夕べ」に出席した。ロンドンオリンピック男子マラソン日本代表の選考レースで、しかも、選考最終レースであることもあり、注目度は例年以上に高い。会場内は、参加者でいっぱいだった。
ビュッフェの食事が提供されていたので、レース前日の夜に、選手たちがどんなものを食べるのかチェックしたかったのだが、人が多すぎてそれどころではない。
華やかなステージ上に並ぶ国内外からの招待選手たちを眺めながら、スポットライトを浴びない一般参加の選手たちが、お皿を手にエネルギー補給をしていたようなのを、視界の端に入れるのが精いっぱいだった。
あいさつの中で、大会名誉会長の毎日新聞社社長より「他の大会にはない景観の中を走れる大会」とあったが、私も、まったくそう思う。
滋賀に引っ越してきて、まだ2年しかたたないが、この大会のコースは、どこも散歩やサイクリングで、慣れ親しんでいる。私の日常である景観の中を、選手たちが一生懸命走ってくれるのは、うれしいことだ。
レース当日は、報道されたように小雨。私も、スタートから6キロ地点に観戦しに行った。
この地点は、ちょうど給水ポイント。テーブルの上にスペシャルドリンクが並んでおり、どれも見分けがつきやすいように工夫がされていたが、逆に、どれも飾られているために、わかりにくそうな感じもした。
私も、常々、アスリートに給水の大切さを説いているが、走りながら補給し、自分のボトルを瞬時に見分けることが要求されるマラソンの水分補給は、特に難しい。補給の失敗は、肉体的な影響はもちろん、場合によっては、それ以上に精神的ダメージにつながる。
実際、今回のレースでも、その前の東京マラソンでも、給水の失敗が有力選手を苦しめたと聞いた。スポーツをする人は、いつも水分補給を意識していてほしい。まさかの動揺にのまれないためにも。
毎日新聞 2012年03月07日
立命館大学スポーツ健康科学部/同研究科教授 海老 久美子
【近事片々】どこ吹く風
2012.05/15 (Tue)
危機どこ吹く風。世界注視の政争劇という「饗宴(きょうえん)」に酔いしれるか、ギリシャ。せめて気のきいた警句の一つでも。◇ ◇
だが、待てよ。2大政党時代のたそがれと、大衆の熱気に乗った急進派の台頭。遠いエーゲ海のみの風ならず。
◇ ◇
ホテル火災。「不備」「不適格」とされようとどこ吹く風。常識的信頼関係を根っこから疑わねばならぬ国になったか。
◇ ◇
めぐりめぐって。南極の海氷琵琶湖分減じて海流変化、気象変動の可能性とか。人間同士いがみ合っている場合じゃなし。
◇ ◇
<筍(たけのこ)の光放つてむかれけり> 渡辺水巴(すいは)
毎日新聞 2012年05月14日
時代を駆ける 若林克彦/2
2012.05/15 (Tue)
「神さん」の知恵、ヒントに
◇KATSUHIKO WAKABAYASHI
《「緩まないネジ」のアイデアの元になったのは、住吉大社の鳥居の「ある部分」だった》
ちょうど散歩の途中に、何となく鳥居を見た瞬間ですね。木と木が組んである鳥居の継ぎ目、その隙間(すきま)にクサビが打ち込まれているのを見て、はっと思いついたんです。まあ、これも「神さん」の知恵、それをいただいたということでしょう。
《会社に戻り、自ら実験してみた》
ボルトとナットの隙間にクサビを、ハンマーでこう、ぽんっと打ち込むと、確かに緩まない。ああ、こいつはいけるなと思いました。さあところが、こんなものを実際の現場に持っていったってできませんわ。何百何千と使うナットの一つ一つにクサビを打つなんて手間は、とてもかけていられません。そこからが試行錯誤の繰り返しです。
問題は、クサビの効果をナット自体にいかに持たせるかということです。あれこれ考えた末、それまで一つのボルトに対して一つだったナットを、上下二つに分けてみた。さらに、二つのナットそれぞれの接合部に凹と凸をつけ、その凸側だけを中心軸からずらすことでクサビの役割が生まれる、というところまでたどり着いたんです。
《試作を重ね、振動を与えても緩まない製品が完成した》
住吉大社の鳥居にヒントを得た日から、そこに至るまでに1年以上かかりました。不都合を解決したら別の課題が出て、それを解決して。その繰り返しです。でも、その過程がまた面白いんです。
鳥居のクサビとネジの回転なんてかけ離れたものがくっついて、新しいものが生まれるんですから。何でもそうですよね。苦しみの中からいいものは生まれませんで。喜びがあって、自分の気持ちがプラスで前向きになっていなければね。
《新たに開発した緩まないナットの製造販売のため、1974年に設立したのが「ハードロック工業」だ》
心機一転、それまでの会社を共同経営者に無償で譲って再出発することにしたんです。絶対にいいものができた、という自信がありましたから抵抗はなかった。妻には怒られましたけどね。
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聞き手・井田純
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■人物略歴
◇わかばやし・かつひこ
ハードロック工業社長。
毎日新聞 2012年05月09日
【読売社説】輿石氏解散発言 「党内融和」最優先は筋違いだ
2012.05/15 (Tue)
野田首相が「政治生命を懸ける」と言明する消費税率引き上げ関連法案の成否は、首相の衆院解散戦略にも密接に関連する問題である。首相としては、今国会の会期を延長してでも消費増税法案を成立させたい。そのためには野党が望む衆院解散の確約も辞さない構えだ。
しかし、まだ委員会審議も始まらない段階で、民主党の輿石幹事長が、衆院選の時期について「来年7月に参院選があるから、ダブル選挙でいい」と発言した。
自民党が「野党の要求に真っ向から反する発言をして、法案に協力を求められても信用できない」と猛反発したのは当然である。
輿石氏に刺激されてか、谷垣自民党総裁は「話し合い解散」に言及した。首相の出方によっては消費増税法案成立の「成就する道がある」とも踏み込んだ。解散先送りを牽制(けんせい)する思惑もあろう。
懸念されるのは、輿石氏が党内融和を最優先する姿勢を強めているように見えることだ。
輿石氏は、首相が消費増税法案の早期審議入りを求めたのに、積極的に動こうとしなかった。
法案の採決時に、小沢一郎民主党元代表ら反対派の造反で党が分裂しかねない。首相が解散に打って出るのは避けたいため、継続審議を模索する意向とも言われる。そうだとしたら、首相の決意を軽んじることにならないか。
逆に、輿石氏は、小沢氏の処分問題については「党内の一致結束が何より大事」と強調し、1審無罪による早期解除を主導した。
解散を衆参同日選まで先送りしようとすることで、長時間の議論を経て決めた法案を否定する小沢氏らに配慮するのは筋違いだ。
輿石氏の衆院選挙制度改革への姿勢も疑問である。首相と谷垣氏は党首討論で、小選挙区の「0増5減」による「1票の格差」是正を先行処理することについて合意した。だが、民主党執行部は、これに反する行動をとっている。
衆院の「違憲状態」を放置したまま衆院選に臨むのは問題がある。輿石氏の本音は、解散封じと見られても仕方ない。党利党略の国会対応を取ることで、民主党にどんな展望があるというのか。
民主、自民両党は消費税を巡る不毛な駆け引きから脱しなければならない。そのためには、与野党協議で双方が大胆に譲歩し、政治を前に進めるしかなかろう。
谷垣氏は、首相に妥協を促すためにも、消費税と社会保障の対案を早期にまとめるべきだ。
読売新聞 2012年5月15日
【憂楽帳】沖縄の変化
2012.05/15 (Tue)
ぽっこりおなかのぜい肉を指でつかみながら、沖縄で勤務した3年間に8キロ太ったことを思い出す。米軍統治時代から営業するステーキハウスの名店に通い詰め、肉を食べ過ぎた。暑いからとアイスクリームを1年中食べていた。食事に誘われた沖縄の人の家では、「昔はおなかいっぱい食べられなかったから」「せっかく来てくれたのでごちそうを」と大盛りの料理が次々と運ばれ、残さなかった。
厚生労働省が1月に発表した国民健康・栄養調査結果によると、20〜69歳の男性の体格指数(BMI)で判定した肥満者の割合は、沖縄県が45・2%と47都道府県で一番高かった。沖縄の男性の平均寿命は全国平均を下回り、長寿県でなくなった。県健康増進課の担当者は「食生活の変化が要因と言われている。健康づくりにとって最大の課題の肥満対策を推進する」と話す。
沖縄が本土に復帰して15日で40年を迎える。今も全国の米軍専用施設の74%が集中している。40年間で沖縄の何が変わり、何が変わらなかったのかを考える日にしたい。【中村宰和】
毎日新聞 2012年05月12日 中部
【今朝の話題】トランプと暦
2012.05/15 (Tue)
7並べ、ババ抜き、ポーカー、神経衰弱…等々、ゲームとして使われることの多いトランプは元々占いの道具。タロットカードに近いものだったが、遊びの道具として使われることの方が多くなった。占いの道具だから、枚数などに、いろいろな意味がある。トランプの枚数は52枚。各1枚が1週間を表し、52週が364日となり、これにジョーカーを加えると1年になる。それぞれのスート(ダイヤなど)が、13枚(週)ずつで春夏秋冬ということ。黒いスートと赤いスートは男性と女性や昼と夜を意味し、状況に応じて使い分ける。
またJ,Q,Kを11,12,13にして、トランプにある全ての数字を合計すると(1+2+3+…+13)×4=364、これもジョーカーを加えると1年ということになる。
トランプには通常ジョーカーは2枚入っている。残った1枚を加えれば「うるう年」になる。何気ない枚数や数字でも、これだけ考えられた占い道具である。
【爺放談】二つの先進国
2012.05/15 (Tue)
日本が先進国ではなくなるかもしれない−との見通しにどこまで実感がわくだろうか!経団連の研究機関がまとめた2050年までの経済予測に考え込んだ。複数あるシナリオのうち最も悲観的な見方は、国内総生産(GDP)は10年の3位から50年に9位となり、1人当たりのGDPは20位から28位に後退して、経済大国の地位から転落しかねないというもので、世界最速で進む少子高齢化などが要因らしい。
日本が経済規模で米国に次ぐ世界第2位となったのは1968年のことだが、2年前に中国に抜かれたとはいえ、日本経済の存在感はまだまだ十二分に大きい。
ただバブル崩壊後の景気低迷は20年を超えており、いまだに出口が見えない現状がもどかしい−時の経済財政担当大臣が国会演説で「もはや日本の経済は一流とは呼べない」と指摘したのは4年前だが、妙に説得力を増してきた気もする。
総選挙が行われたばかりのギリシャも実は先進国の仲間なのは、GDPの規模は大阪府を下回るが、日本を含む経済協力開発機構(OECD)加盟国は国際社会では先進国とみなされている。
開票結果は緊縮財政路線の連立与党が大幅に議席数を減らしており、欧州債務危機の発信源の混迷はなお収まりそうになく、経済再生がもたつけば再び信用不安に火をつける可能性もある−負の連鎖は驚くほど速いようで、借金に苦しむ先進国の行方が気がかりだ。
【5/15誕生花】カーネーション
2012.05/15 (Tue)
花言葉 あなたを熱愛する 
16世紀にイギリスの戴冠式(コロネーション)で使われたことから名前がつけられたという説があります。
■今日生まれのあなたは・・・
ふだんは物静かですが 内に強さを秘めた性格。恋愛面ではひとりの相手をずっと愛し続ける、驚くほどの意志と情熱の持ち主です。
【夕歩道】
2012.05/14 (Mon)

民主党の参院予算委員長。届けと違う日程でフィリピンへ。震災直後には、対策本部の重責にあったが、かの地でゴルフ。元幹事長はかつて議員百四十三人と訪中。中国トップと全員が記念撮影。
外遊を辞書でひくと「外国に旅行する」とある。でも、議員外遊なら物見遊山ではすまぬ。民主は議員外交予算を四・五倍の二十億円にしたいとか。実績に目をこらせば、開いた口がふさがらぬ。
仏の新大統領は、中国偏重をやめ、日本重視にカジを。ロシアのトップは米国でのG8サミットに首相を行かせ、ご自分は訪中へ。国際関係は複雑怪奇。戦略的な議員外遊ならお金は惜しまぬよ。
中日新聞 2012年5月14日
正論 存在意義なくした参院は不要だ
2012.05/14 (Mon)
「日本の政治はなぜ、何事も決まらないのか」。外国を訪問して要人と話すと、しばしばこんな質問を受ける。開会中の国会を見ても喫緊の課題である東日本大震災からの復興や財政再建に対する熱気は伝わってこない。とりわけ参議院はねじれ国会の中で数の論理ばかりが先行し、「良識の府」としての本来の機能を失っている。≪衆院のカーボンコピー≫
私は2010年4月の本欄で「衆議院300、参議院100」の定数削減を提案して以来、この考えを堅持してきたが、この際、あえて参院不要論に転向し、定数300の一院制への移行を提案する。国民のいら立ちと失望は頂点に達し、一院制に向け憲法改正を模索する動きが政界からも出てきている。存在意義をなくした参議院はもはや不要である。
12年度予算は14年ぶりに成立が新年度にずれ込んだばかりか、約4割、38兆円分を賄う赤字国債発行法案は成立の目途が立っていない。消費税増税法案など関連法案の行方も含め引き続き混迷政局が続くと思うと、果たしてこの国は大丈夫か、暗澹(あんたん)たる思いがする。
200年近くも前のフランスの政治家エマニュエル=ジョゼフ・シェイエスは「両議院が対立すると、これほど有害なことはないし、同じ議決となれば、これほど無駄な審議はない」と二院制を批判した。
衆院通過から1カ月近くも経て本会議で予算案を否決した参議院の審議経過は、最初から「結論ありき」で目新しい議論があった記憶もない。両院協議会の議論も形骸化し、参議院は衆議院のカーボンコピーと化している。迅速な決断が求められる中、“時間の浪費”と批判されても仕方がない。
≪自身の責任で決断すべきだ≫
サッチャー元英首相を取り上げた映画「鉄の女の涙」が評判を呼んでいる。3回お会いしたことがあるが、最初の1984年6月は首相6年目。亡父・笹川良一と私をダウニング街10番地の首相官邸に招待され、夕食後、われわれを閣議室に招き入れて亡父を首相席に座らせ、「このいすに長時間、たった一人で座り、1万6000キロの大遠征を孤独に決断した」と、その2年前のフォークランド紛争を問わず語りに述懐された。
「困難な政治問題は多数意見に追随するのではなく自分自身の責任で断固決断し、人々を納得させなければならない」「コンセンサスはさほど重要と思わない。あれは時間の浪費のようなものです」とリーダーとしての覚悟、自信も語られた。先が見えない混迷の時代に政治家に求められるのは、鉄のように固い信念である。
情報が瞬時に世界を駆けめぐり情勢が刻々と変化する外交の世界においては、なおさらである。北朝鮮の核、ミサイル開発が問題となる中で3月26、27の両日、韓国ソウルで開催された核安全保障サミット。野田佳彦首相のソウル入りは参院予算委員会集中審議出席のため26日夜に遅れた。結局、オバマ米大統領ら各国首脳との個別会談は実現せず、日本の存在感の薄さだけが目立つ結果になった。
【なるほドリ】東電どうなるの?
2012.05/14 (Mon)
◇国の支援で再建目指す 新会長と新社長の協調、鍵になるほドリ 枝野幸男(えだのゆきお)経済産業相が東京電力の総合特別事業計画を認定したって聞いたけど、どういうこと?
記者 東電は、福島第1原発事故で巨額の損害賠償を迫られていて、国の資金支援なしには経営が立ちゆかない状態です。支援を得るためには、被災者への賠償を早くきちんと行うことや経営合理化することなどを書き込んだ計画を作り、認定してもらう必要がありました。東電は「特別事業計画」の認定を得たことで、国の支援を受けられるようになりました。
Q 東電はどうなるの?
A 特別事業計画には、財務基盤の強化策や収支計画のほか、組織体制も含めた抜本的な改革案が盛り込まれています。例えば、国は原子力損害賠償支援機構(げんしりょくそんがいばいしょうしえんきこう)を通じ1兆円の税金を東電に投じて株式を買い取り資金繰りを支えます。代わりに株主総会で50%超の議決権を取得して、東電を「実質国有化」します。政府は東電を徹底的に改革するつもりのようです。
Q うまくいくのかな?
A 東電の企業体質を変えるための改革はすでに始まっています。不必要な不動産を売却したり、社員の待遇を引き下げたりしてコスト削減も進みつつあります。ただ、経営の立て直しは容易ではありません。事業計画には、7月から3年間、家庭向け電気料金を10・28%値上げすることや、13年4月に柏崎刈羽(かしわざきかりわ)原発(新潟県)を再稼働させることが明記されています。料金値上げは国民の反発が強く、計画通りに実施できるか分かりません。原発再稼働も地元首長らの間で慎重論が根強い上、安全確認の手続きも定まらず、いつ再稼働できるか分からない状態です。
Q 政府の立場がよく分からないんだけど。
A 政府は資本注入だけでなく、賠償支援のため少なくとも2・5兆円を税金で立て替えることになります。国民の税金を早く回収するためには「筆頭株主」として東電にもうけてもらう必要があるわけですが、一方で、東電がもうけるためには原発再稼働か電気料金の値上げが必要です。政府も難しいかじ取りを迫られることになります。
Q 経営トップは大変だね。
A 政府は、6月以降の会長に弁護士出身で支援機構運営委員長の下河辺和彦(しもこうべかずひこ)氏を選任し、社長に広瀬直己(ひろせなおみ)常務を内部昇格させることを決めました。新しい経営体制で改革が進むのかは、下河辺・広瀬両氏の協調が鍵を握りそうです。
毎日新聞 2012年05月10日
経済部 和田憲二
風知草 過剰という病
2012.05/14 (Mon)

小食を勧める健康本が売れている。「激うま激安」「デカ盛り」に驚喜してみせるテレビのグルメ番組とは対照的だ。テレビは過剰の時代の惰性を、小食健康本ブームは新しい時代潮流を映し出している。
「『食べない』健康法」(08年東洋経済新報社)などを書き、ブームの火付け役の一人となった石原結実(ゆうみ)(63)によれば、現代人は食べ過ぎである。食べ過ぎるから病気になる。
この人は内科医にして断食指導者。引きも切らぬ患者の中には石原慎太郎東京都知事や細川護熙、羽田孜、安倍晋三の歴代首相など著名人も多く、知る人ぞ知るカリスマだ。
長寿健康法をテーマにした著作が260冊。テレビ出演、講演活動だけでは飽きたらず、参院選に出馬(一昨年、東京選挙区、無所属、落選)した。そう並べ立てれば相当ウサンくさい人物と誤解されかねないが、そんなことはない。
私は、長崎大学医学部を出て大学病院の研修医をしていた70年代の石原結実を知っている。まだソ連領だったカフカスの長寿村(今のグルジア)を見て帰国した石原を、毎日新聞長崎支局記者として取材し、記事にしたことがある。
健康について調べ、生活習慣を正すという使命感の自覚と実践が一貫している。マスコミを通じて啓発を試み、いささかマスコミ不信に陥り、今は東京の下町にある診療所と静岡県伊東市に建てた断食道場を往復、施療に明け暮れている。
石原の主張の核心は「好き放題、飲んで食べるのは1日1食だけにしなさい」というところにある。石原の講演は「みなさん、毎日毎日、3食たべてよくぞ今日までご無事で……」と笑わせて始まるそうだ。
先週、久々、石原と話す機会を得た。「古代のギリシャもローマも、エジプトも、栄華の頂点で病気がはやり、人口の3分の1が死んで滅んだ。日本も衰亡ムードですねえ」
「国の税収41兆円に対して国民医療費37兆円(10年度)でしょ? 検査のし過ぎ、投薬のし過ぎですよ。6000年前のピラミッドの碑文に『人は食べる量の4分の1で生きる、他の4分の3は医者の糧になる』と書いてあるそうです。知ってました? アハハハハ」
三十余年ぶりに石原の取材を思い立ったのは、豊かな生活とは何かというイメージの混乱を整理する上で参考になるのではと考えたからである。
先月、経団連の研究機関が発表した2050年の経済予測リポートは、このまま経済成長を怠れば、1人当たり国内総生産(GDP)でやがて韓国に抜かれ、先進国から転落すると指摘して反響を呼んだ。
このリポートは序文で「いかに経済社会の活力を維持し、豊かな国民生活を実現していくかが問われている」と強調しているが、豊かな生活とは何かを問い詰めてはいない。
意地悪く言えば、「激うま激安」「デカ盛り」の爆食で病気になっても、薬や医療の支出でGDPが増えるならけっこうだという感覚である。
小食や断食に対する関心の高まりが、飽食した一部の金持ちの気まぐれだとは思わない。これでもかとばかり消費をあおる現代資本主義への疑問。過剰は苦痛という自覚。そんな不安が人々を書店へ駆り立てる。
「先進国」とは何か。「先進的」とはどんなことか。小食健康本ブームは根本の問い直しを迫っている。(敬称略)
毎日新聞 2012年05月14日
政治部専門編集委員 山田孝男
【甘口辛口】豊響の涙
2012.05/14 (Mon)

あの涙は、つね日頃厳しい稽古に明け暮れてきたからこそだろう。夏場所7日目の結びの一番で横綱白鵬を大逆転の小手投げで仕留め、初金星を挙げた豊響の涙だ。審判として土俵下に座る師匠境川親方(元小結両国)と目が合い「ここまで育ててもらって…」と、涙があふれたという。日本人はこういう浪花節に弱い。
勝って泣き、負けて泣きが相撲の原点でもある。苦しい稽古が実を結び、勝てなかった相手に初めて勝って流すうれし涙。「あんなに稽古したのに、なんでオレは勝てないんだ」と負けて流す悔し涙。どちらも稽古の裏付けがあってこその涙だから、まわりの人たちの胸を打つ。
最近は日頃ろくに稽古もせず、とりあえず立ち合い張って相手に横を向かせ、有利な組み手に持ち込んで勝とうという張り差しが横行している。引退した朝青龍が始めてから他の力士もまねるようになり、白鵬も連日のように立ち合い張っている。そんな小手先の相撲では勝っても負けても涙など出るはずもない。
大鵬、千代の富士、北の湖、貴乃花…。歴史に名を残す大横綱が、立ち合いに張り手など見せただろうか。見苦しいし、ふだんの稽古がいかに足りないかの表れでもある。そういえば7日目は体格だけで勝とうとして食いつかれて負け、花道でへらへらしている大関もいた。情けない限りだ。こんな風潮だから豊響の涙はよけい意味がある。
風貌は“猛牛”といわれた第53代横綱琴桜にそっくり。網膜剥離を患い苦労してつかんだ豊響の初金星は、地道な努力が実を結んだ琴桜の32歳での綱とりと相通じる。“猛牛”に負けないぶちかましを会得し、稽古の大切さをもっと見せつけてほしい。 (今村忠)
サンケイスポーツ 2012.5.14
【憂楽帳】バスの中で
2012.05/14 (Mon)
「止めてください!」。バスの車内に大きな声が響いた。「バス停に傘を忘れたので、取ってきます」と続いた。声の主は、後期高齢者とおぼしきおばあさん。乗ったバス停からは50メートル近く進んでいる。どうするか−−。「待ってください。私が取ってきます」と言い放った運転手がバス停まで走り、傘を手に戻ってきた。その間、約2〜3分。おばあさんが往復していたら、倍以上の時間がかかったのは間違いない。運転手の機転に、10人余りの乗客にはホッとした空気が流れた。電車などでは、いくら声が届いても運転士が走っていけるわけではない。小回りの利くバスだからこそだった。
高齢化社会の到来と、地球温暖化対策から注目されるバスだが、利用者の減少に歯止めがかからない。日本バス協会の調べでは、年間で国民1人平均30回以上、延べ40億人余りがバスに乗っているが、半世紀前の全盛期に比べると半数以下。まさに風前の灯(ともしび)となっている路線も数多い。
そんな中、バスの重要性を再認識できた出来事。小雨降る、やや肌寒い朝だったが、私の胸はカイロが入ったようだった。【関野弘】
毎日新聞 2012年05月12日
時代を駆ける 若林克彦/1
2012.05/14 (Mon)
ツリー支えるネジの技
◇KATSUHIKO WAKABAYASHI
世界一の自立式電波塔、東京スカイツリーの開業が目前に迫る。その屋台骨を文字通り支えている技術が、ハードロック工業社長、若林克彦さん(78)が開発した「緩まないネジ」だ。従業員49人、大阪の町工場から、ものづくり日本再生へのメッセージを発信する。
《「ハードロックナット」は同社の主力商品。スカイツリーに使用されている数は、合計で数十万本に及ぶ》
ナットというのは真ん中に開いた穴にネジ山が切ってある金具ですね。対になったボルトと一緒にネジで締め付けることで物同士を固定します。建築物や乗り物などさまざまなところで使われていますが、スカイツリーはその大きさに加え、内部も複雑な構造になっているため、それだけの本数になりました。
溶接すると簡単には外せませんが、ボルトとナットを使ったネジなら必要な時に回して緩められる。個々の部品の交換が容易になるわけです。一方で、緩みはネジの弱点でもありました。従来のネジは、衝撃や振動を与え続けることで徐々に緩んでいってしまうのが問題だったわけですね。ハードロックナットはそこを解決したんです。
《スカイツリー用のナットに採用されたのも、そこが決め手に》
634メートルという高さですから、上部は強い風を受けて大きく振動する。それによってネジが緩めば、大事故にもつながりかねないわけです。内外のライバル企業7社ほどの競争になり、振動試験が行われて、うちの製品の成績が最も良かった。スカイツリーは世界的にも注目されていましたから、競争相手の海外のナット企業は「タダでいいから使ってほしい」と申し出ていたそうですよ。
《今や海外の鉄道にも数多く使われている同社のナット。「緩まない仕組み」のヒントは思いがけないところにあった》
うちのような中小企業はアイデアが勝負。大企業とは違います。あれはもう40年ほども前、自宅近くにある住吉大社の鳥居を、何気なしに見上げた時のことでした−−。
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聞き手・井田純
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■人物略歴
◇わかばやし・かつひこ
ハードロック工業社長。1933年9月9日大阪市生まれ。
毎日新聞 2012年05月08日
【毎日社説】生活困窮者 包括的対策で孤立救え
2012.05/14 (Mon)
生活保護の受給者が200万人を超え、費用も4兆円に迫ろうとしている。生活困窮に加えて社会的孤立が増えているのが最近の特徴だ。「家族以外と交流がない」人が日本は15%で経済協力開発機構加盟国の中で最も多い。オランダ(2%)、米国(3%)と比べても際立っている。国と地方、官と民の総力を挙げた包括的な取り組みが必要だ。生活保護率の高い大阪市は不正受給に厳しく対処し、自民党は給付水準を10%下げる案を公表した。たしかに生活保護費の約半分を占める医療扶助の適正化のために電子レセプトや複数の医療機関でチェックするセカンドオピニオンの徹底などが必要だろう。ただ、わが国の受給率は諸外国に比べて低く、むしろ必要な人が受給できていないという現実の方が問題だ。保護費抑制のために入り口を厳しく狭めるだけでは本質的な解決にはならないだろう。
生活保護はいったん受給者になるとなかなか抜け出せない。生活保護を受けながら働き、一定額の預貯金をすることを認めて受給者の就労意欲を高める案も検討されている。それだけでなく、雇用や社会参加の機会を増やし、きめ細かい相談支援で雇用へつなげることが肝要だ。福祉事務所のケースワーカーたちは受給者の急増に手が回らず疲弊し切っている。民生委員や各地の社会福祉協議会をもっと活用してはどうか。ホームレス支援や生活困窮者の救済に実績のあるNPOにも協力を求め、民間ならではのノウハウや人的資源を生かすべきである。
生活保護率は大阪や北海道が突出するなど地域によって大きなばらつきがある。市町村の権限を強めて独自に積極的な対策を取れるようにすることも必要だ。都市部では単身の生活困窮者の住居の確保が急務となっている。一方で空き家や集合住宅の空室は増えており、居住政策の改善の余地は大きい。また、多重債務に陥っている人のため、福岡県の生活協同組合などは「生活再生相談」や家計管理など生活指導を組み込んだ独自の融資事業で成果を上げている。貸付制度を使って居住の確保を進めることができれば困窮者の救済は広がるだろう。
生活困窮に陥らない事前の対策も忘れてはならない。生活保護の家庭の子どもは進学率が低く中退者も多い。学習支援や学費の援助などを充実させ、貧困の連鎖を断ち切らないといけない。最近は発達障害の学生の就職難も問題になっている。学習能力は高いが対人関係が苦手なため面接試験で軒並み落ちてしまうケースが多い。ひきこもり、ニートなどの対策と併せ、省庁間の壁や官民の垣根を越えた取り組みが今こそ求められる。
毎日新聞 2012年05月14日
【余録】少し古びた型式でも、安月給の…
2012.05/14 (Mon)

輸入中古バス
少し古びた型式でも、安月給のローンで初めて手に入れた車への愛着は忘れがたい。新車があふれる今の日本でそんな感傷は縁遠くなったかもしれないが、ミャンマーは今、中古車ブームに沸いている。
人気の的は丈夫で部品を入手しやすい日本車だ。日本からの輸出は2月には9795台と史上最高を記録し、国別で昨年の年間13位から一気に2位に躍り出た。日本の中古車輸出の好調を支える有望市場だ。
ミャンマーはとにかくオンボロ車が多い。10〜20年ものが主役で、クラシックカーさながらの半世紀ものさえ堂々と現役で走る。自動車生産の一大拠点として「アジアのデトロイト」と称される隣国タイとは好対照だ。
そんな光景を招いた責任者は20年以上続いた軍事政権である。外国製品の輸入を厳しく統制し、高額の輸入ライセンス料を課した。その結果、20年落ちのポンコツ車が200万円を下らない異常相場を招く。一方で、利権を独占する軍幹部や政商らはピカピカの高級新車を乗り回し、国民から恨みとねたみの視線を浴びた。
昨年の民政移管で登場したテインセイン政権は「アジア最貧国」の汚名を返上すべく改革に乗り出した。民主化運動指導者アウンサンスーチーさんとの対話や政治囚釈放と並行し、経済開放にも取り組む。輸入規制も緩和され、最大都市ヤンゴンでは次々と中古車ショールームが建ち、これまで車に縁のなかった人々でにぎわっている。
車は「ステータスシンボル」とよく言われるが、ミャンマーではそれだけにとどまらない。改革と民主化の進行度を示す「発展のシンボル」という性格も併せ持つ。
毎日新聞 2012年05月14日
季節の花 庭石菖(にわぜきしょう)
2012.05/14 (Mon)

庭石菖(にわぜきしょう)
・文目(あやめ)科。
・学名 Sisyrinchium atlanticum
Sisyrinchium : ニワゼキショウ属
atlanticum : 大西洋の
・開花時期は、 5/ 1頃〜 6/ 末頃。
・北アメリカ原産。1890年頃に渡来。
・色は白か紅紫。きれいな小さい花。
・葉が石菖(せきしょう)というサトイモ科の植物に似ていて、また、庭によく生えるところから、庭石菖の名になった。
・別名 「南京文目」(なんきんあやめ)。
参考文献:季節の花300
【爺放談】ブランド
2012.05/14 (Mon)

その名を聞いて連想するのはトラックだろうか!「何のこと?」と聞き返す若者もいそうなのは、往年の名車ブランド「ダットサン」が復活し、低価格で新興国市場を目指すという。
日本のスポーツカーの先駆であるフェアレディZや代表的セダンのブルーバード、大衆車サニー…ダットサンは日産車の「冠」でもあり、知名度は北米にも及んだ−源流は約百年前の前身、快進社の「ダット」だ。
そのブランドを捨て、メーカー名の日産に統一することを決めたのは1981年だが、それがつまずきの始まりとなり、首位だった北米市場でトヨタに、そしてホンダにも抜かれ、国内でも低迷にあえいだ。
ブランドの価値とは第一に消費者の信頼であり、育てるには年月がかかる−日産の不振の原因は複合的だったにせよ、ブランド変更は、消費者心理に影響したに違いなく、一本化を決断した当時の石原俊社長は「わが社の悲願」と語ったが、逆に悲劇となった。
一方、住民らが愛着を抱くマチの名前も、立派なブランドといえるのは、大阪府泉佐野市が市名を含めて「命名権」を売ると決め、話題となっている−企業名を頂いたマチには豊田市があるが、財政対策という今回の提案には、トヨタもダットサンもびっくだろう。
ついでながら「家」もブランドになり得る!名家の神通力に頼れる余裕からか、「由紀夫」から「友紀夫」へと、名前の字を変えるという元首相もいた。
【5/14誕生花】わすれなぐさ
2012.05/14 (Mon)
花言葉 私を忘れないでください、真実の愛 
英名のフォーゲット・ミー・ノット(私を忘れないでください)が、そのまま和名になりました。花の可愛らしさから、姫紫という別名もあります。
■今日生まれのあなたは・・・
陰であれこれ言われても平気で堂々としているタイプ。でも本当はさみしがりや。電話好きで、よく友人に長電話するのもそのためです。
【編集局デスク】無事に帰ってこそ
2012.05/13 (Sun)

聞こえるのは少し硬くなった雪を踏みしめる音と風の音。雪からところどころ顔を出した岩が春を感じさせ、白さと鮮やかなコントラストを見せる。学生時代に訪れた春山の光景は今でも目に焼きついています。
でも山はそんな優しい顔ばかりを見せてはくれませんでした。このゴールデンウイーク、北アルプスで遭難が相次ぎました。長野県では白馬岳をめざした六十三〜七十八歳の男性六人パーティー全員が亡くなりました。大変痛ましい連休となってしまいました。
一九九〇年代から続く中高年の登山ブームの中で、遭難者も年々増えています。警察などが出す春山情報でもその傾向に触れ、十分な装備と無理のない日程を呼び掛けていました。六人は防寒衣や簡易テントも携行していたようですが、天候が急変し、突然襲った猛吹雪に動けなくなり命を奪われたようです。
この時期の三千メートル級の高山はふぶけば冬山の装備が必要といいます。死者にむち打つつもりはありませんが、天候の判断など無理はなかったのでしょうか。無事下山してこその「登山」です。自身の経験からも言えます。少し雪焼けした笑顔での帰宅が春山行きの一番のお土産なのですから。
中日新聞 2012年5月12日
名古屋本社編集局次長・榎本衆
結婚した男性が太るのはナゼ?
2012.05/13 (Sun)

結婚した男性が太るのはナゼ?
連載:知りたくもない!?カラダの不思議
芸能人の結婚や熱愛スクープなどの話題でよく聞く「幸せ太り」という言葉。一般的には男性に使われることが多い気がするし、実際、「結婚してから10キロ太った」とか「独身時代は細かったのに結婚してからポッコリおなかになった」などという男性は多いもの。男性は出産するわけでもないのに、なぜ結婚してから太るのか。単なる加齢による変化なのだろうか。
『最新医学常識99』(祥伝社黄金文庫)著者で、医療法人社団池谷医院院長の池谷敏郎先生に聞いた。
「一人暮らしの男性は、食事がおろそかになる傾向があります。ところが結婚すると、奥さんの作る料理を家でしっかりとるようになり、次第に太るというパターンが多いと思います」
単純に食べる量が多くなるからか…? でも、やっぱりそれだけではないらしい。
「大きな原因として、10代や20代の頃に比べ、活動量が落ちてくることがあります。食欲がなくなるのは、もっとトシをとってからで、30代〜40代くらいの頃は、運動習慣がなくなっているのに食べ方は若い頃のままで、食欲と運動量のアンバランスが肥満の原因になる場合があります」
加えて、「お酒を飲む習慣」があったり、仕事が忙しいなどの理由から「夜遅くに食べる習慣」があったりと、環境因子による肥満もあるそうだ。
「また、ホルモン機能が落ちて、基礎代謝が悪くなることも肥満の原因の1つ。ホルモン系の老化で内分泌機能が低下し、内臓脂肪がたまりやすくなるのです」
一般に、内臓脂肪は女性よりも男性が蓄積しやすく、加齢と共に蓄積しやすくなるという特徴があるそう。では、お腹にばかり肉がついてくる理由は…。
「加齢によって筋肉が落ち、脂肪は減らないので、比率的に脂肪が多くなることが理由の1つ。特に内臓脂肪は腸のまわりに溜まるので、お腹がポッコリと膨らむのです」
幸せの証しに見える「結婚後の肥満」。でも、「奥さんが食事に気をつければ、痩せる旦那さんもいます」と池谷先生は言う。夫婦そろって「幸せ太りの解消」に励んでみるか…。
ZAKZAK 2011.12.17
【なるほドリ】コンプガチャって何?
2012.05/13 (Sun)
◇希少カード集めが魅力 運営会社に自主規制の動きなるほドリ オンラインゲームの高額請求が問題になっているね。どういうこと?
記者 インターネット上には対戦型やレース型などいろいろなゲームがあります。今回問題とされているのは、「コンプリートガチャ」と呼ばれるゲームの仕組みです。略して「コンプガチャ」とも言います。あらかじめクレジットカードを登録し、さまざまな種類のアイテムを有料で集めて遊びます。
Q そもそも「ガチャ」ってどういう意味?
A おもちゃなどが入ったカプセルが出てくる「ガチャガチャ」が語源と言われています。
Q アイテムってどんなもの?
A カードタイプが多いようです。ゲームによって違いますが、攻撃力や防御力が書かれた武器や、かわいい女の子の絵などが描かれています。1回300円程度で「ガチャ」のボタンを押すとカードを入手できます。くじ引きのような仕組みで、カードは選べません。
Q カードを集めるとどうなるの?
A 手持ちのカードを出し合って競う対戦ゲームでは、強力なカードを持っていれば勝ちやすくなります。ただ、こうしたカードは「レア」(珍しい)で当たりにくく、入手するまで何回も「ガチャ」をする必要があります。レアカードを一定の組み合わせでそろえると「コンプリート」(完全)。さらに希少価値(きしょうかち)の高いカードがもらえる仕組みです。
Q 勝つことが目的なんだね。
A コンプガチャに2カ月ほど夢中になった東京都内の男子大学生(18)は「勝つことより、カードをそろえたい気持ちが強かった」と話します。レアカードをそろえると、「特典(とくてん)カードを入手した!」という達成感を得られたそうです。
Q どうすれば「はまる」のを防げるのかな?
A ディー・エヌ・エー(DeNA)やグリー、サイバーエージェントなどソーシャルゲームを運営する6社でつくる連絡協議会は4月、18歳未満の利用者への利用限度を月額1万円以下にする自主規制に取り組むと発表しました。これを受けDeNAは、ゲーム内で使える仮想通貨(かそうつうか)の購入について15歳以下は月5000円、18歳未満は月1万円までという制限を、6月をめどに導入する方針です。グリーは既に、15歳以下は月5000円、16〜19歳は月1万円までとの制限を設けています。
毎日新聞 2012年05月09日
生活報道部 五味香織
【甘口辛口】和田青児 独立第1弾の新曲「おとこ星」
2012.05/13 (Sun)

このまま師匠の傘下で甘えてはいけない。演歌の大御所、北島三郎の元から今年、そう思い定めて1人の男が巣立った。和田青児、42歳。元日付で個人事務所を設立。「今年は新人のつもりで全国をまわりたい」と目を輝かせる。北島の付き人を11年務めた後、歌手デビューして13年。独立を決めたきっかけは、昨年3月の東日本大震災だった。
生まれ故郷・福島県郡山市の実家では当時、女手ひとつで育ててくれた76歳の母、トシ子さんが1人。けがはなかったが、家の中はメチャメチャに。東京の自宅に急きょ、引き取ることになった。ところが、トシ子さんは昨年4月、クモ膜下出血で入院。2度の手術を受け、奇跡的に回復し後遺症もない。
「震災で亡くなった知人もいる中、俺の母親は震災と病気という二重のショックを乗り越えた。故郷の仲間にはゼロから再出発した人も多い。俺もこのまま、ぬるま湯につかっているのではなく、もう1回、自分の力だけでチャレンジしようと思ったんです」と和田は振り返る。その分、故郷への思いは深く、何度も慰問に足を運んだ。
今年はもっと歌で貢献したいと思う。ダンサーだった妻との間には小4の長女、小2の双子(長男、次女)がいる。妻とは4月で結婚丸10年を迎え、それも独立への決意を後押しした。母を含めた一家は仕事で家を空けることの多い和田に、帰ると応援の手紙や似顔絵で迎えてくれる。
独立第1弾の新曲「おとこ星」は、13日の母の日に合わせ、母と妻への感謝を歌詞にしてもらった。♪例え嵐になろうとも 女房子供を守り抜く…。実感あふれる力強い男の演歌だ。和田には「被災地の星」にもなってもらいたい。(森岡 真一郎)
サンケイスポーツ 2012.5.13
しあわせのトンボ 電車の中の今昔
2012.05/13 (Sun)
スマートフォンというのは大した威力だ。携帯電話としての高機能ぶりを言うのではない。言いたいのはこんなことだ。同じ電車に雰囲気のある女性が乗り込んできて、向かいの席に座った。おもむろに窓の外でも眺めていれば、男の視線がちらちら注がれていたかもしれない。しかし、彼女の顔はスマホを手にして目を落としたのと同時に、バサッと落ちた前髪で隠れてしまった。
こうなると、そこに座っているのは、スマホを見ている一人の女性で、やはりスマホを見ている横並びの女性に同質化してしまう。スマホの威力を感じたのはその時である。手のひらの小さな機器が、その人の風情や情緒までたちまち吸い取ってしまう。いや、すごい!と思った次第だ。
こういう体験を何度かすると、昔の車内風景が思い出される。そのあたりのことを、人間の根源的な欲求としてのエロスにこだわる古井由吉氏が著書「人生の色気」でこう回想している。
「バブルの頃までのことですが、電車の中や往来で、何か色っぽいものを見るんです。どういう男関係をしているんだろう、と考え込んでしまう女がいれば、よほど女に手古ずらされているな、と感心させられる男もいた」
氏は近ごろの男女模様にふれて、「電車の中にいれば、若い男性と女性がいても、男性が女性の方を見ないんです。女性に関心がない」とも語り、色気が失われていく世を嘆いている。
確かにそうで、昔は車内の色香には敏感に反応して、でも陰があるなあ、どんな男がいるんだろう、などと勝手な想像をしたものだ。察するに色気は、見る、見られるという男女の引き合う関係にこそ存在するのだろう。今日のように乗客の多くがスマホやケータイを手にして他者への関心を断ち切っている以上、男女の視線が異性に向かわないのも当然といえば当然だ。
もう少し色気にこだわると、昨今の流行語、例えば「山ガール」や「写ガール」、あるいは「弁当男子」といったたぐいの言葉は何ら想起するものがない。味も素っ気もないばかりか、何よりも色気がない。言葉の記号化も極まれりの感がある。
これら風俗や言葉をとらえて、デジタル社会と関係付けるのはたやすいが、それにしても情味に乏しい社会は、この先どこまで広がるのだろう、などと思いつつ、ぼくは今日も電車に揺られている。
毎日新聞 2012年05月11日
専門編集委員 近藤勝重
【近事片々】この軽さよ
2012.05/13 (Sun)
かりにも与党幹事長が「ダブル選」などと口にすれば、もう少し厳かな反応が広がってもよさそうなものだが、この何ともいえぬ軽さよ。昨今政界飛び交う言葉の目方を映して。◇ ◇
首相「民主党と自民党の前に大河が横たわっているように見えるが、広くも深くもない」としきりに秋波。だが川は前ばかりか後ろにも。激流の中州に孤立してなお強がるふう。
◇ ◇
東電、家庭向け電気料金値上げ申請。使用時間帯で夜間がお得とか。事故の原因者からライフスタイルまで指示されているようで、何だか釈然とせず。
◇ ◇
<幸(さち)来ると思ひぬ新樹天に炎(も)ゆ> 細谷源二
毎日新聞 2012年05月12日
外信コラム【ガンジスのほとりで】テロ もはや日常
2012.05/13 (Sun)
アフガニスタンの首都カブールで日本大使館などがテロ攻撃に遭った4月、事件数日後の市内を取材した。商店や飲食店はどこも通常営業。現地駐在のある米国人記者は自転車で外出した。もはや住民はこうしたテロを特別な事件とは考えていないらしい。
これも「日常」の一コマかもしれないが、カブールの公的施設やホテルの警備は実にものものしい。詳しくは紹介できないが、政府庁舎に入るには何重もの保安検査がある。
私が泊まったホテルは、以前、テロ攻撃を受けており、ホテル内になかなかたどりつけない仕組みになっていた。ロビーにつくまで鉄板のドアを5回も開けて進む。どこが入り口なのか容易にわからない構造だ。
「わざわざテロに遭ったホテルに泊まらなくても」というお叱りを受けるかもしれないが、外国人が泊まるようなホテルの多くは、たいてい1度や2度はテロ攻撃に見舞われており、選択の余地はあまりない。
自転車の米記者はというと、市内に自宅を構えている。実はそこにも1泊させてもらったのだが、現地の記者は「ホテルより安全だ」と言う。あえて目立つようなことはせず、カブールの日常に溶け込むのが身を守ることにつながっているのかもしれない。(岩田智雄)
産経新聞 2012.5.10
【毎日社説】野田内閣と行革 やるべきことは明白だ
2012.05/13 (Sun)
またも「会議」が新設された。行政改革全般について有識者が議論する岡田克也副総理の私的懇談会が発足した。民間の知恵を活用し「身を削る改革」を主導する狙いで7月にも改革の方向を示す。国民の増税への理解がなかなか広がらない中で行革努力をアピールしたい野田佳彦首相の意を体した始動だ。大所高所の議論は必要だが、今すぐ決着しなければならない課題はすでに明白である。議論がいたずらに拡散しないよう、懇談会の役割、目的を整理すべきだ。
行革のエンジン役のはずが「屋上屋を架す」組織となりはしないか。そんな懸念をぬぐいきれない。
懇談会は稲盛和夫京セラ名誉会長ら重鎮が顔をそろえた。岡田氏はかつての「土光臨調」(第2次臨時行政調査会)の再現を念頭に「平成版土光臨調」と胸を張る。
民主党政権の下「事業仕分け」は回を重ねるごとに色あせ、マニフェストに掲げた国家公務員総人件費2割削減も展望が開けていない。
野田内閣は国家公務員の新規採用を大幅抑制する方針を固めたが、若い世代に犠牲を強い、人事体系をゆがめかねない長期的視野を欠く選択だった。行き詰まり感のある行革のビジョンをしっかりと議論することに異論はない。
だが、すでに多くの課題に政権が直面していることも事実だ。
たとえば国と地方の二重行政解消につながる国の地方出先機関見直しは今、まさに正念場だ。地方に組織や権限を移譲できないよう中央官庁はさまざまなハードルを設けようと抵抗している。
社会保障では被用者年金の一元化で焦点の官民格差が温存されかねない様相となっている。
復興財源として国家公務員給与を2年間7.8%削減する措置を延長するかもはっきりしない。労使で給与を決める議論のスタートとなるはずの公務員の労働協約締結権を回復する法案の行方が依然としてみえないためだ。これでは今後の地方行革の展望も開けない。
首相が「身を削る覚悟」をアピールしたいなら、こうした課題で実績を示すのが一番だ。これらのテーマを扱う政府の部署はただでさえ分散している。懇談会の議論が逆に焦点をぼかし、行革の責任の所在をあいまいにしかねない点を危ぶむ。
懇談会はもともと首相の諮問機関として置くはずだったが、法制化のめどが立たないため応急措置として設置された。法的根拠を持たないだけに「お飾り」とせぬためには、目的と工程を早めに具体的に示すことが欠かせない。行革の監視役として存在感を発揮してほしい。
毎日新聞 2012年05月13日
【編集手帳】
2012.05/13 (Sun)
北海道の医師船木上総(かずさ)さん(56)は、山スキーに出かけたヨーロッパ・アルプスで氷河のクレバスに落ち、16時間宙づりになった。低体温症に陥り、死の一歩手前までいった。25歳の時だ。『凍る体 低体温症の恐怖』(山と渓谷社)には、その体験と教訓が記されている。一般的に人は体温35度で震えが大きくなり、歩行困難になる。32度で意識障害、30度で不整脈が出て、26度以下で意識がなくなるという。
「天候が絶悪なら3時間で死亡も」「すばやく退却するかビバークせよ」「風による体温喪失はツェルト(簡易テント)である程度防げる」。こうした知識は大型連休中、北アルプス・白馬岳で遭難死した63歳〜78歳の登山者6人にもあったに違いない。
6人は軽装で見つかったが、リュックの中にはダウンジャケットなどの防寒衣が入っていた。手袋も、強風で飛ばされたツェルトも見つかった。高年齢者とはいえ山のベテランたちの判断力と体力を、低体温症が急速に奪い取っていったのか。
この時期、里は春でもアルプスの稜線(りょうせん)は冬の顔である。悲劇を繰り返さないためにも真摯(しんし)な事故の検証が必要だ。
読売新聞 2012年5月13日
【憂楽帳】観光PR
2012.05/13 (Sun)
最近は「うどん県」(香川県)や「おしい!広島県」のような、インパクトの強い観光PRが盛んだ。ちなみに鳥取県は「まんが王国」。今秋、国際マンガサミットが県内で開かれるのに合わせ、県庁に「まんが王国官房」を置き、イベントの準備を進める。部署名は「この方が“らしい”」という知事の指示で決まったという。「官房長」以下、職員は漫画の絵が入ったTシャツ姿で仕事に励む。お手本は同県境港市の水木しげるロード。出身の漫画家、水木しげるさんが描いた妖怪のブロンズ像139体が並ぶ商店街に、年間300万人以上の観光客が集まる。「鬼太郎」などのブロンズ像は市観光協会がスポンサーを公募し、少しずつ設置。妖怪検定や妖怪そっくりコンテストなどさまざまなイベントを丹念に続け、リピーターの獲得に成功した。
「お化けの町になる」という住民の反対を乗り越え、中国地方でも有数の観光地に育て上げた市観光協会の桝田知身会長いわく「成功の鍵は、行政頼みの運営をやめること」。行政が仕掛けるPRはあくまできっかけ。町おこしはその後が正念場だ。【佐々本浩材】
毎日新聞 2012年05月12日 大阪
【爺放談】コンプガチャ
2012.05/13 (Sun)

突然、わが家に数十万円の請求がきたら−携帯電話で他人と交流して遊べるソーシャルゲーム「コンプリート(コンプ)ガチャ」の仕組みを持つ人気ゲームで、高額な料金請求トラブルが相次いでいる。
ゲームに有利なレアアイテムをそろえようと、有料の抽選くじを繰り返すためで、「プレーヤーに確率の誤解を生じさせ、さらに射幸心を煽る性格を持っている」という。
さすがに消費者庁が規制に乗り出し、運営会社6社も今月末で、コンプガチャ商法を中止するといい、中高生ら未成年者も対象とするゲームなら当然であり、未熟な子どもから大金を巻き上げるような、あこぎなまねは慎みたい。
幼子が、なけなしの百円玉を店頭のガチャポンに投入する!何が出るかを期待して待つ!昔ながらの光景なら、まだほほ笑ましいのだが、ネットゲームはスケールやスピード、スリルが格段に違う。
かくてゲームにはまり、依存することから、仮想空間に遊ぶ一方で料金がかさむ現実があり、無意識に、仮想世界が現実の社会を浸食していく危うさを憂える。
全国で今、自治体のカジノ誘致の動きが加速しており、1兆円規模の経済効果が見込めるというが違和感があるのは、仮想世界にひしめく「ギャンブル依存予備軍」を現実社会に解き放つ「アイテム」を増やすべきではないと思う。
【5/13誕生花】ボロニア
2012.05/13 (Sun)
花言葉 芳香 
スズランのような可愛い花を枝一面につける、オーストラリア原産の小低木。「芳香」という花言葉のとおり、とてもよい香りをもっています。
■今日生まれのあなたは・・・
あまり目立つほうではありませんがさっぱりした性格で人から好かれます。体を動かすことが苦にならず、スポーツが得意。マニアックな面もあるかも…。
【夕歩道】
2012.05/12 (Sat)

追憶の中、母親の笑顔は甘く、父の姿は、ほろ苦い。母の日のギフトは今や五千億円市場。クリスマスギフトを大きく上回るとか。ともあれ、全国のお母さん、いつも、ありがとうございます。
毎年のことだから、贈り物にも工夫が必要になる。定番のカーネーションも、その色により花言葉が変わる。ピンクは感謝、黄色は美、赤は愛…。七色を花束にして、七色の思いをプレゼント。
同じ七色でも、一つの花を七色に染めたのが、オランダ渡りのレインボーカーネーション。とにかく目立つ。しかしまあ、逆転の発想と奇をてらう、は紙一重。花言葉はさしずめ、混沌(こんとん)かしら。
中日新聞 2012年5月12日
【「清盛」の情熱】19“義朝"玉木宏の烏帽子がヨレヨレのワケ
2012.05/12 (Sat)

鳥羽法皇(三上博史=下)の異変を感じ取る得子(松雪泰子=上)=第19回「鳥羽院の遺言」(5月13日放送)
「平家物語」ではアンチヒーローとして描かれていた清盛に新たな視点でスポットを当てたNHK大河ドラマ「平清盛」。
明日5月13日は第19回「鳥羽院の遺言」が放送される。誰も予想していなかった後白河天皇(松田翔太)が誕生し、朝廷は大騒ぎになる。再び父親である鳥羽院(三上博史)に裏切られた崇徳院(井浦新)の心のうちはいかばかりかと清盛(松山ケンイチ)は不安になる。そんな騒ぎをよそに、清盛の館には時子(深田恭子)の妹・滋子(成海璃子)という美しい娘がやってくる。強い意志をもつその娘は清盛の目にまぶしく映る。
一方、源氏では、義朝(玉木宏)の子・義平(波岡一喜)が義朝の弟・義賢(阪本浩之)を討ち、棟梁の証しである友切の太刀を奪い返して義朝に渡す。これにより、為義(小日向文世)と義朝の関係は冷えきっていく。そんな中、後白河天皇即位の宴が開かれ、崇徳院から祝いの歌が届けられるが、その歌には後白河への「恨み」が込められていた。後白河は烈火のごとく怒りだし、その姿を見た鳥羽院は後白河を即位させたことを後悔する。そして、崇徳院との関係修復を願い、その思いを清盛に託す…。
一昨年放送の「龍馬伝」で初導入された「人物デザイン監修」には、柘植伊佐夫氏(52)が「龍馬伝」に続き参加している。柘植氏のインタビュー後編、大河にかける思いを聞いた。(産経デジタル・上坂元)
◇
人物デザイン監修とは、それぞれのキャラクターの扮装、例えば衣装、ヘアメイク、小道具などをトータルにデザインすることだ。
今回もさまざまな演出&デザインのこだわりがあふれている。柘植氏は「汚し演出は『龍馬伝』から引き続き、コーンスターチも使ってやっています」と話す。ただし、今回は「二極化」を意識し、「貴族に関しては色彩を全面に出して、色彩と汚しが二律した状態」をつくりあげた。「高位の世界ではあらゆる色彩を使い、反射感を意識しています。扮装における生地の素材選びなどに試行錯誤は尽きませんが、階級の区別化を一目でわかる手法を取り入れました」。
ドラマのスタート当初のシーンでは、清盛と仲間たちに投網をアクセサリーのように身に付けさせた。それは「白河法皇(伊東四朗さん)が殺生を禁ずるということで、漁が禁止されるという抵抗心の象徴や、ある一種の友情関係を視覚面で共通項とするため」と、細部にいたるこだわりに徹した。
また「時代が変わっていくのを大きく感じる」ことも、こうした作り込みにあらわれている。「二律した世界で武士の社会になっていく、進化していく中で、目に見えない世界と共存している。目に見えないものを信じるスピリチュアルと合理主義への一歩を表現していければ」と語る。
頭にかぶる鳥帽子一つとってもこだわりがある。制作には実に3ヶ月をかけた。「視覚的にはかなりいい状態にまでもってきており、順光だと透けず、逆光だと良い程度に透ける状態」に仕上げた。例えば玉木宏が演じる義朝の場合、「普通、侍烏帽子は折り目がきちんと付いているのですが、義朝のはヨレヨレ。素材自体を柔らかく、くちゃくちゃに加工して、エアガンで汚し、義朝とともに生きている感じを表現しました」。
また、平家と源氏の区別方法として、紅白のルーツと言われている「源平合戦」を引き合いにして「紅白は意識しています」と宣言。さらには「平家の赤は、一種の記号性として分量を増やしている。赤というのは、今回のドラマにおいてはキーカラーです」という。出演者の意見やアイデアをどんどん取り入れていくという柘植氏。「松山くんも『弓の色を赤くしたら?』と言って、赤くしたこともありました」と撮影の秘話を語る。
全体的に「ある一つのフォーマットに乗っ取りつつも、組み合わせを変えて表現している」といい、この大河では「新しいスタンダードを発見できるような形になれば」と意欲を示した。
産経新聞 2012.5.12
【なるほドリ】竜巻はどうして発生するの?
2012.05/12 (Sat)

◇温度差で大気、不安定化 頑丈な建物の物陰に避難を
なるほドリ 関東で大きな竜巻の被害が出たけど、竜巻ってそもそも何なの?
記者 激しい雨を降らす積乱雲(せきらんうん)の底から地面に向かって細長く伸びた空気の渦です。気象庁によると、平均時速約36キロで短距離選手が全速力で駆け抜けるくらいの速さです。国内では年平均約15個の発生が確認されています。米国では年約800個目撃されていますが、日本は米国に比べて国土が狭いので、面積当たりの発生数でみれば少なくないと言えます。
Q 関東は発生しやすいの?
A はい。東京や千葉、茨城などの関東平野や、宮崎、鹿児島の平野部は、他の地域に比べ竜巻が発生しやすいです。ただし、なぜ平野だと多いのかは分かっていません。
Q そうなんだ。竜巻はどうして発生するの?
A 暖かい大気の上層に冷たい大気が入り込むなどして大きな温度差ができると、大気がとても不安定になります。その結果、激しい上昇気流が起き、発達した積乱雲ができます。たまたま積乱雲の周りをゆっくり回っていた空気が上昇気流に巻き込まれ、回転する半径が急激に小さくなって竜巻になることがあります。フィギュアスケートで、腕を伸ばしてゆっくり回転していた選手が腕を胸に近づけると回転が速くなるのと同じ原理です。今回は、通常の数倍の規模の積乱雲「スーパーセル」によって強い竜巻が引き起こされた可能性があります。
Q 竜巻の強さを表す国際基準「藤田スケール」の藤田さんってどんな人?
A 藤田哲也(ふじたてつや)博士(1920〜98年)は米シカゴ大の名誉教授で、竜巻研究の世界的権威として「ミスター・トルネード(竜巻)」と呼ばれます。航空機事故につながるダウンバースト(下降噴流(かこうふんりゅう))を発見し、空の安全にも大きく貢献しました。
Q すごいね。ところで、竜巻から身を守るには、どうしたらいいの?
A 気象庁は竜巻の発生しやすい状況になっていることを知らせる「竜巻注意情報」をホームページなどで発表しています。周囲が暗くなったり、冷たい風が吹いたり、ひょうが降ってきたりしたら、竜巻の前兆の可能性があります。竜巻が間近に迫ったら頑丈な建物の物陰に入って身を小さくしたり、シャッターを閉めたりしてください。電柱や大きな窓ガラスの近くは危険なので避けましょう。
毎日新聞 2012年05月08日 東京朝刊
科学環境部 河内敏康
首相番日誌 融和優先は国対政治
2012.05/12 (Sat)
今年のゴールデンウイーク、野田佳彦首相は2日に訪米から帰国した後の3日以降は、ほとんどを公邸で過ごした。連休最後の6日は、仁実(ひとみ)夫人との結婚記念日。陰から支えるタイプのファーストレディーだが、選挙は別物らしい。地盤が安定しなかった首相の新人当時は、首相の実弟、剛彦・千葉県船橋市議と並んで野田陣営を支える一角を果敢に担っていたという。訪米も一定の成果は上げた。07年当時の福田康夫首相の訪米以後、途絶えていた迎賓館、ブレアハウスでの宿泊が復活。野田首相も「オバマ大統領との関係は深まった」と周辺に漏らしている。
日米首脳の関係は、政権の勢いを測るバロメーターと言われている。レーガン大統領との間で「ロン・ヤス関係」を築いた中曽根康弘首相も、ブッシュ大統領と同盟強化を図った小泉純一郎首相も、戦後では五指に入る長期政権を樹立した。
しかし、野田政権の行く手は依然、深い霧だ。野田首相が「政治生命を懸ける」と明言する消費増税法案には野党だけでなく、民主党内からも強い反対が出ている。一方で無罪判決を受けた小沢一郎元代表への党員資格停止処分は控訴前に解除を決定した。参院で問責決議を突きつけられた2閣僚も続投させている。いずれも「党内融和」を優先した結果だ。
「ねじれ国会」の下では、肝心の消費増税法案も参院での成立は見通せない。しかも、結果が出せなければ既成政党への批判は高まり、新党ブームに火が付きかねない。民主党の支持団体、連合の古賀伸明会長も4月28日のメーデー中央大会で、「(政権交代への期待も)率直に言って失望と落胆に変わったと言っても過言ではない」「リーダーシップのある政治の実現を」と強調した。
内閣支持率も、再び低下傾向にある。野田首相の発信力不足が大きな要因だ。中曽根元首相は「時に民意と対立しても、時代を先取りしなくては指導者ではない。日本の世界戦略を確立すべきだ」と、力説する。
55年体制下の国対政治を連想させる、党内融和優先の政治手法は当然のことながら限界だ。
毎日新聞 2012年05月12日
専門編集委員 松田喬和
エビさんの食べるスポーツ 青臭くあれ
2012.05/12 (Sat)
スポーツ健康科学部の同僚の先生たちと沖縄に行ってきた。沖縄というと、豚のラフティ、ソーキ、山羊(やぎ)のヒージャーなど、肉料理が豊富なイメージがあり、野菜というとゴーヤが思い浮かぶくらいだが、今回、その伝統食に注目して、大宜味村を中心に沖縄北部を回ってみると、他にも独特な島野菜がたくさんあることがわかった。
特に、いろいろな種類がある青菜がおいしかった。
例えば、インジャナバー(ニガナ)。白あえをいただいたが、苦みがありながら、島豆腐の衣がまったりとし、クセと濃い味が合わさっておいしい。
フーチバー(ヨモギ)。ヨモギというと、ヨモギ餅やお茶くらいしか知らなかったが、沖縄では、ジューシーという混ぜごはんや、山羊の刺し身の付け合わせなどで、食べる機会が多かった。
他にも、シマナー(カラシナ)、ハンダマ(スイゼンジナ)、カンダバー(芋の葉)など、沖縄での呼び方の不思議な音を持つ青菜と出合った。
これらの青菜が、時に混ぜ合わされ、時に付け合わせとして、時に小皿の一品として、沖縄の伝統的な食事の中に取り込まれている。
どれもひとクセある青菜だが、そのクセが、まさにクセになる。暑いところだから、苦みは、爽快感になる。
この青菜の使い方には、「アジア」を強く感じる。韓国での焼き肉についてくるどっさりのサンチュやキムチ類。ベトナムでの、お皿いっぱいのさまざまな青菜。中国やタイでの青菜炒め。もちろん、日本でも、ほうれん草や小松菜のおひたしをはじめ、青菜はとても一般的な食材だ。欧米の国に比べ、アジアの国は、青菜の力をうまく活用していると感じる。
ほとんどのスポーツにおいて、世界大会の前に、アジア大会が立ちはだかる。アジアの国に乗り込み、青々としたお皿を前に、箸が止まるようでは、その時点で、相手にアドバンテージを与えているようなものだ。
アジアでは、アスリートは、青臭いくらいでいい。
毎日新聞 2012年02月29日
立命館大学スポーツ健康科学部/同研究科教授 海老 久美子
【近事片々】二者択一だけ?
2012.05/12 (Sat)
イエスかノーか。オオイなる二者択一的選択だけか?◇ ◇
道を選択できぬギリシャには困ったと顔しかめていたら、おっと、わが借金、今年度末に1000兆円の大台に乗りそう。
◇ ◇
ワンストップ看板の復興庁、ただ新たに縦割りができたという復古調? 笑いごとでなし。
◇ ◇
「点字毎日」90年。指先に広がる世界。戦後間もなく、招来ヘレン・ケラーの車中の言葉が象徴的に重なる。
「私にはよく見える。私の心の中では、優雅な富士山の高嶺(たかね)がくっきり浮かんでいる」
◇ ◇
<其人(そのひと)の足跡ふめば風かをる> 正岡子規
毎日新聞 2012年05月11日
外信コラム【北京春秋】「歴史を鑑」 自国では
2012.05/12 (Sat)

中国共産党の機関紙、人民日報甘粛支社の林治波・支社長が最近、ネット上で話題となった。自身のミニブログで「1960年から62年に中国で数千万人が餓死したことは嘘だ。誰も見たことがない」と書いたことが物議を醸したのだ。
毛沢東が主導した大躍進政策の失敗で、同時期に各地で3千万人以上が餓死したことは国際社会でも周知されている事実。元国営新華社通信記者、楊継縄氏の著書「墓碑」などノンフィクション作品も多くある。
中国で最も権威的な宣伝機関の大幹部が突然この事実を否定したことは、「新しい政治運動開始の兆しでは」といった臆測が飛び交った。林氏のミニブログには数日間で1万人を超えるユーザーが抗議。当時の惨禍を裏付ける史料が大量に送られ「多くの餓死者をこの目で見た」といった書き込みが殺到した。これを受け、林氏は「大躍進についての研究が足りなかった。私の不当な言論で多くの方につらい記憶をよみがえらせたことは、申し訳なく思っている」と自身の勉強不足を認めあっさりと謝罪した。
中国共産党指導者たちは日本の政治家に対して「歴史を鑑(かがみ)に」との言葉を好んで使うが、自身の政策失敗がもたらした教訓については、どうやら下の幹部たちに教えていないようだ。(矢板明夫)
産経新聞 2012.5.9
【読売社説】上場企業決算 V字回復へ攻めの戦略を描け
2012.05/12 (Sat)
東日本大震災などの試練から立ち直り、業績のV字回復を早期に達成できるか。企業各社の攻めの戦略が問われよう。
東証1部上場企業の2012年3月期連結決算の発表がピークを迎えた。全体では3期連続の増益の確保は難しく、増収減益にとどまる見通しである。
大震災後、製造業の部品供給網が寸断され、タイ洪水も重なり、主要各社は減産に追い込まれた。欧州危機と歴史的な超円高も加わって苦難の年だったと言える。
しかし、生産体制を速やかに立て直し、コスト削減を続けた結果、急激な業績悪化を回避できた企業は多い。逆風に立ち向かい、底力を示した点は評価できる。
自動車業界が典型例だ。
トヨタ自動車は、本業のもうけである営業利益で3556億円を確保した。新興国市場で販売を伸ばし、エコカー補助金が復活した国内でも、ハイブリッドカーが好調だったことが功を奏した。
トヨタは今期の営業利益を3倍弱の1兆円に拡大する計画だ。タイ洪水で被害が大きかったホンダも、業績の急回復を目指す。
欧米韓のメーカーとの競争は激しいが、各社は戦略車の投入で勢いに弾みをつけてほしい。
明暗が分かれたのは電機業界だ。社会インフラ事業が好調な日立製作所は、2期連続で最高益を更新した。3年前に巨額赤字に転落した後、事業の「選択と集中」を徹底した戦略が実を結んだ。
対照的に、テレビ事業が不振のパナソニック、ソニー、シャープは巨額赤字を計上した。ライバルの韓国メーカーに商品力で差を付けられたのが主因である。
各社が創意工夫と、大胆な発想で巻き返しを図らねばならない。急成長するアジアなど新興国市場の取り込みがカギを握る。
収益を上げるための構造改革の断行が急務だ。パナソニックが住宅関連や電池などに経営資源を集中投入する方針は妥当だろう。
大手商社は資源価格の高騰を追い風に好業績が相次いだ。iPhone(アイフォーン)特需が続くソフトバンクも好調だった。
今期のV字回復を狙う各社には懸念材料もある。
まず、ギリシャ不安の再燃をきっかけに、欧州危機が長期化しかねないことだ。円相場が再急騰する恐れもあり、超円高への対応力を強化する必要がある。
全原子力発電所の停止で、今夏の電力不足が懸念される。節電対策を徹底し、生産への影響を食い止めることも欠かせない。
読売新聞 2012年5月12日
【編集手帳】
2012.05/12 (Sat)

「おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか」。母親が娘に語って聞かせる。「あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ」。太宰治『斜陽』のひとこまである。
指で結ぶ。食べ物や料理の名称は数々あれども、「おむすび」(御結び)ほど素朴にして美しい呼び名はそうそうあるまい。
「おにぎり」ともいう。日本国語大辞典は「おむすび」の項目に語誌を載せ、「地域的には、東日本は『おむすび』、西日本は『おにぎり』であるが、最近は『おにぎり』が一般的呼称になりつつある」と述べている。
太宰その人と同じく「おむすび」の東日本に生まれ育ったせいか、いまでも「おにぎり」と呼ぶと、何だか別種の食べ物のような気がしてならない。子供の頃に母親が握ってくれたのが「おむすび」で、それ以外の出来合いはすべて「おにぎり」で…つまらない偏見をお許しあれ。
〈母の日のてのひらの味塩むすび〉(鷹羽(たかは)狩行(しゅぎょう))。あすは「母の日」、“てのひらの味”を思い出している方もあろう。二度と口にすることのできない身には、さて何の塩味か、ちょっとしょっぱい味覚である。
読売新聞 2012年5月12日
【憂楽帳】音なき突撃隊
2012.05/12 (Sat)

今春、上海と周辺都市をツアーで回った。初めての中国旅行で目を奪われたのは、急速に発展を遂げた2300万都市の象徴である高層ビル群ではなく、電動バイクだった。2輪車専用の側道を老若男女が我先にとびゅんびゅん飛ばす。横切ろうものなら目の前をかすめるように走り去る。見た限り9割方は電動バイク。残りは自転車で、5日間、側道でエンジン音は1度も耳にしなかった。
ここまで普及しているとは! 帰国後飲み屋で盛り上がっていると、上海万博開幕の半年前、09年冬に現地を訪ねたという知人女性が「夜ホテルに帰ると(排ガスで)ストールが真っ黒。困ったんよ」と顔をしかめた。電動バイクは記憶にないという。なるほど。行政が万博を前に排ガス対策を強力に推し進め、普及につながったのか。
日本でも浸透すればいいのに。ネットで検索すると、ベンチャー企業を中心に10万円台のバイクもあったが、有名メーカーのそれは25万円で1回の充電走行距離はわずか40キロ余。広まるにはまだ時間がかかりそうだ。「音なき突撃隊」を思い出すたび、お隣の国の勢いを実感している。【加藤学】
毎日新聞 2012年05月11日 西部
【爺放談】なっちゃった式
2012.05/12 (Sat)

事がうまくいかない時、つい「こうなっちゃったんだよ」と言ってしまうことがあるのは、自分の判断の結果であれ、まるで自然にそうなってしまったかのような感覚が潜む。
この意味は決して小さくないのは、欧米では制度や社会を「作る」という観念が強く、その分責任も明確になっているが、日本は物事がおのずとそんなふうに「なる」との意識が根強いといわれる。
驚くのは40年前の指摘が現在でも大体当てはまりそうなのは、重くのしかかる福島原発事故であり、天災の結果にしろ、人災の側面が大きい−東京電力は無論、原子力政策を推進してきた原子力村の方々の責任はいつ問われるのかであり、まさか「こうなっちゃった」と、うそぶくつもりなのではあるまいか!
今こそ出番なのに、一向に物事が決められない政治も政治であり、原発事故対策も今後の原子力政策も、さらに社会保障と税の一体改革も新たに「作り出す」必要があるのに、牛歩よりのろい動きは、いまだ創出が苦手なことの表れにも見えてくる。
悪いことばかりではないのは、日本人は復興には強みを発揮するといわれ、創出は不慣れでも、元の姿に戻すという具体像があれば、ものすごいエネルギーを出すという−そういえば欧米に追い付け、追い越せも欧米というモデルがあったからなし得た。
でもそろそろ創り出すことを覚えなければならなく、責任の在りかが不明確な「なっちゃった式」の出来事をこれ以上起こさないためにもだ。
【5/12誕生花】アスチルベ
2012.05/12 (Sat)
花言葉 恋の訪れ 
アスチルベはギリシャ語で「輝いていない」という意味。小花がぱっとしないためにつけられた名前のようですが、集合体で見たときには美しい花です。
■今日生まれのあなたは・・・
ひとりっ子や 年の離れた末っ子など、大事に育てられた人が多いようです。そのせいか明るくて おうような性格。愛情豊かで 子供や動物が好き。
【夕歩道】
2012.05/11 (Fri)
太宗イナゴを呑(の)む、という人をぎょっとさせるような言葉が中国の古書「貞観政要」にある。唐の第二代皇帝太宗と大臣らとの問答を集めた本で、政治の道、帝王学をよく説き今に伝わっている。太宗がイナゴを呑んだのは、その虫の害で人民が苦しんでいると知ったため。その災いを自分に負うように、呪文を唱えながら呑んだそうだ。…民を苦しめるな、もし過ちあるなら責めはわれに。
そういう立派な言葉を伝える国が、盲目の人権活動家を苦しめるとはどういうことか。彼こそが人民のために働いている、と民衆は知っている。過ちあるのは一体だれか、一度呪文を聞きたいね。
中日新聞 2012年5月11日
【よみうり寸評】
2012.05/11 (Fri)

ギリシャの古代遺跡に並ぶ巫女(みこ)姿の美女――この映像を見ると、〈五輪近し〉の思いがわいてくる。
7月27日に開幕するロンドン五輪の聖火の採火式が10日、オリンピック発祥の地・ギリシャのオリンピアで行われた。巫女たちが凹面鏡で日光を集めて採火、その火がトーチに移された。
4年に1度、おなじみの光景だ。聖火リレーは18日に英国に入り、開会式のロンドンを目指し英国内を巡る。メーンスタジアムの聖火台への点火は開会式のハイライトだ。が、この伝統の起こりは古代五輪ではない。
1936年のベルリン五輪が最初。「古代と現代をオリンピックの火で結ぶ」聖火リレーをディーム組織委会長が提案、IOC(国際五輪委)が賛成して誕生した。
このリレー、ヒトラー政権下のことでナチスの陰謀説もある。第2次世界大戦でドイツ軍がこのコースを南下、進撃したからだが、ディーム会長の企画は、はるか以前から練られていた事実がある。
その方を信じたい。聖火リレーは誕生して76年。喜寿も近い。
読売新聞 2012年5月11日
【from Editor】紙芝居のおっちゃん、被災地へ
2012.05/11 (Fri)

「ミカ、おっちゃん今度、そっちに行くからな」
電話越しになつかしい叔父の大きなダミ声が聞こえてきた。叔父の名は杉浦貞(ただし)。全国でたった一人とされるプロの紙芝居師だ。81歳という年齢ながら今も現役で、大阪の公園や空き地で子供たちに紙芝居を見せている。しかし、今度の行き先は岩手県大槌町などの被災地というのだ。
石川県羽咋市から20歳で大阪に出て、染色会社に勤めていたが会社は倒産。家族の反対を押し切り48歳で紙芝居に身を投じた。散逸する各地の紙芝居を自費で収集するだけではなく、自分でも作る。
2月と3月、岩手や宮城の仮設住宅などをまわった。演目は、奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」の開発の中心人物である川口淳一郎氏。青森県弘前市出身で東北とかかわりがある希望のストーリーを被災地に届けたくて昨年12月に完成させた。
「思ったよりひどかった。おじいちゃん、おばあちゃんがうつむいているんや。顔を少しぐらい上げてほしいやんか」
お年寄りに紙芝居の前に、割りばしに水あめをまきつけた駄菓子やせんべいを手渡すと、子供時代を思い出したのかやっと顔を上げ、笑みがもれたという。当初は子供に元気を与えたいという思いからの巡回だったが、気づいたのは元気がなくなっていたお年寄りたちの姿だった。
「自分の年齢なんて、恥ずかしくてよう言えへん。おっちゃんより若いけど落ち込んでいるんや。ほっとけへんやんか」
しかし、大きな壁にぶつかった。すべて1人でこなしているため巡回先を探すことが難しいのだ。震災から1年が経過しボランティアも引き揚げている。大阪から何度も自治体に連絡しても、なしのつぶてだったという。
「紙芝居は命を伝えていると思うんや。体が続く限り、できるだけ多く巡りたい」
強烈な個性の叔父だった。幼いころから毎年、叔父宅に遊びに行っており、紙芝居を始めたことも知っていた。数少ない紙芝居師ということで本紙でも何度も取り上げられていたが、自ら取材することはなかった。身内ということでなんだか気恥ずかしく距離をおいていた。今回の東北巡回をきっかけに初めて叔父と向き合った気がする。16、17の両日は宮城県名取市の仮設住宅に向かうという。紙芝居師のおっちゃんの生き様を、この目でしっかり見てみたいと思う。
産経新聞 2012.5.8
山形支局長 杉浦美香
【なるほドリ】原発事故の心配はなくなったの?
2012.05/11 (Fri)
◇「崩壊熱」除かねば危険 核燃料の多く、プールで冷却なるほドリ 5日で国内の原発がすべて停止したね。これで原発事故の危険性はなくなったのかな。
記者 運転中より危険は少ないでしょうが、心配がなくなったわけではありません。原発は、核燃料(かくねんりょう)に含まれるウラン235が連鎖(れんさ)して核分裂(かくぶんれつ)する過程で生じた熱でタービンを回して発電しています。原発が止まって核分裂の連鎖は停止していますが、これまでの運転中に生じたさまざまな不安定な原子核(げんしかく)が自然に壊れることで、燃料棒は熱(崩壊熱(ほうかいねつ))を出し続けます。この崩壊熱を除去し続けなければなりません。
Q 放置するとどうなるの?
A 東京電力福島第1原発事故を思い出してください。運転中だった1〜3号機は地震の揺れで緊急停止しました。しかし、その後の津波で全電源と原子炉への注水機能が失われ、崩壊熱を除去できなくなったため、炉内の水は沸騰(ふっとう)し徐々に蒸発しました。最終的には露出した燃料棒が高温になって炉心溶融(ろしんようゆう)し、水素ガスが発生、爆発しました。定期点検中だった4号機では、核燃料はすべて原子炉建屋(げんしろたてや)最上階の使用済み核燃料プールに移されていましたが、ここも注水ができず危機に陥りました。
Q 崩壊熱ってすごいの。
A 1〜3号機は原子炉停止から1年以上たち、熱量は停止直後の0・4%程度になりました。それでも、熱量は約500キロワットに達し、20度の水約5立方メートル(5000リットル)を1時間で沸騰させるほどです。現在、東電が各号機に毎時6〜9立方メートルの水を炉内に注いでいるのも、このためです。使用済み核燃料は通常、約2年は水中で保管しなければ十分に冷えないそうです。停止した原発の多くは定期点検中なので、核燃料の多くはプールに移されていますが、冷却が止まれば福島事故と同じことが起こる恐れがあります。
Q やっかいだね。
A 特にプール内の核燃料の危険性は、福島事故まであまり認識されていませんでした。米原子力規制委員会のマグウッド委員も「プールが危険をもたらすとは誰も思っていなかった」と話していました。
Q このごろ地震も多いし、大丈夫かな。
A 電力会社は国の指示で、東日本大震災と同規模の津波で全電源を失っても、原子炉やプールを冷却できるよう、高台への電源車増設などの緊急安全対策(きんきゅうあんぜんたいさく)を実施しています。しっかり備えてほしいですね。
毎日新聞 2012年05月06日
科学環境部 西川拓
金言 警戒心が生んだ選択
2012.05/11 (Fri)
フランスの新大統領に社会党のオランド氏が当選したが、フランスのためには保守派のサルコジ大統領が再選されるのがいいと思ってきたし、今もそう思う。財政再建を重視し、競争原理を導入する同大統領の政策がフランスには必要だと感じるからだ。サルコジ大統領の特異な個性が敗因の一つであることは衆目の一致するところだ。乱暴で攻撃的な言動、落ち着きのない統治スタイルは、政治的立場を超えて嫌われた。ただ一方で、「彼の政策は今のフランスに必要」と言う人は私の周りでも少なくなかった。既得権でガッチリ固まった流動性のない社会、国力を超えた手厚い社会保障、硬直化した労働市場……。これらを壊さないとフランスは衰退していくばかりとの考えだ。
5年前、サルコジ氏が「もっと働いてもっと稼ごう」「これまでのやり方を変えよう」を掲げて大統領に当選した時、痛みを伴う財政再建を進め、規制を緩和し、競争原理を導入していく合意が、グローバリズムへの警戒と懐疑心が強い国民の間でできたかにみえた。
国際通貨基金(IMF)の女性専務理事であるフランスのクリスティーヌ・ラガルド氏は、昨年7月に専務理事に就任するまでの4年間、大統領の強い引きで経済・財政・産業相の中枢閣僚を務めた。身近に大統領を見てきた感想をこう語っている。
「大統領は『リベラリズム(自由主義)』という言葉にこもる否定的ニュアンスを消そうと努めました。自由主義は弱肉強食で、一部の者だけが富むルールととられがちです。しかしこれは偏見で、経済にダイナミズムを与える自由主義とセーフティーネットの充実は矛盾しません」
同大統領に計算外だったのは、就任して約1年後に起きたリーマン・ショックとそれに続くユーロ危機。これからという時、グローバリズムへの強い警戒心を再び国民の間に呼び覚ましてしまった。
興味深い数字がある。今月6日の大統領選挙の決選投票で、オランド氏とサルコジ大統領の得票率は51・62対48・38だった。しかし在外在住者(約107万人)の投票に限ると46・95対53・05で同大統領が勝る。在外在住者の多くはビジネスマンで、外国にあって自国を客観的に見ている。国際社会におけるフランスの地位により敏感な彼らは、痛みを伴う改革が必要と認識しているのだ。
グローバリズムへの強い警戒心で日本はフランスと似ている。ただそれに固執するあまり、経済のダイナミズムの必要を見ないのは本末転倒なのである。
毎日新聞 2012年05月11日 東京朝刊
専門編集委員 西川恵
【発信箱】ギリシャの教え
2012.05/11 (Fri)
またまた世界の目がギリシャにくぎ付けだ。総選挙をしたばかりなのに、政権ができず再選挙になるみたい。結果次第で世界経済が大混乱、の恐れもあるから、大変。だけどギリシャ人にとって、政治の混乱はそれほど珍しくはないのかも。10カ月間に総選挙を3回したことだってあるのだ。
1989年6月、今度の選挙でも1番になった新民主主義党が145議席で第1党になった。でも300議席の過半数には届かず。で、連立を組んだけれど、相手は相当な左派。新民主主義党は中道右派。全く合わず解散、総選挙へ。
次の選挙で新民主主義党は議席を増やした。でも過半数に3議席足りず。で、大連立となったけれど、大事な政策でほとんど折り合わず、また解散。翌年4月、三度目の正直で、やっと単独過半数を握った。
教訓1。数合わせの連立は、もたない。
そこでギリシャは単独過半数を取りやすくする仕掛けを作る。得票率で1番になった党に40議席のおまけを付けたのはその一つ。おまけは50議席に引き上げられた。
それでも今度の選挙は、選挙前の2大政党を合わせても半数割れだった。片や、2大政党の財政緊縮策を猛攻撃した若手党首の左派政党が人気を集め2位に躍進した。
ただ、この党だって単独ではどうにもならない。緊縮策反対の大連立を組めても、じゃあ債務危機をどうする、の策はなく、もっと恐ろしい事態を招く可能性がある。
教訓2。今が嫌だから、と選挙に期待しても、マシな世の中になるとは限らない。
ギリシャの教えは、「手遅れになる前に財政再建を」だけじゃなかった。もちろん、ギリシャと日本は違う。むこうには、決められる政治の枠組みができるまで選挙をやり直す再選挙の仕組みがある。こっちには、その仕組みもない。
毎日新聞 2012年05月11日
論説室 福本容子
【近事片々】「コンプガチャ」政治
2012.05/11 (Fri)
おかみは目くじら立てたけれど、足元を見よ、永田町かいわいに横行「コンプガチャ」政治。タコツボ世界のむなしき達成感と優越感を求めて血道上げ。◇ ◇
悲涙の悲劇、抱腹の喜劇は偉大な文学の世界に押し込めて、たっぷり堪能すればよし。ギリシャよ、現世の身をもって演じるなかれ。ユーロの合唱隊も世界の客席も凍りついている。
◇ ◇
北の凍土の遊園地。視察の3代目「草取りもできないのか」と担当者をしかり飛ばしたと。その言やよしだが、雑草あってよし。子供の歓声あふれる野や街に勝る遊園地なし。
◇ ◇
<切られたる夢はまことか蚤(のみ)のあと> 其角(きかく)
毎日新聞 2012年05月10日
外信コラム【ポトマック通信】首相出迎えた儀仗兵
2012.05/11 (Fri)

訪米した野田佳彦首相は4月30日、オバマ大統領との会談の前にワシントン郊外のアーリントン国立墓地を訪れた。「無名戦士の墓」への献花だったが、墓の前には米軍の儀仗(ぎじょう)兵たちが整列し、首相を出迎えた。
陸海空、海兵隊の各軍と沿岸警備隊から選ばれた制服の将兵たちのうち海兵隊の儀仗兵の指揮官はジョンエド・アワー大尉だった。26歳のアワー大尉はアフガニスタンでの2度の軍務を終えて、ワシントンの海兵隊基地勤務となり、この4月に大尉に昇進したばかりだった。
アワー大尉は、元国防総省日本部長でバンダービルト大学日米研究協力センター所長ジム・アワー氏の次男である。アワー氏がジュディ夫人とともに日本、韓国、米国をそれぞれルーツとする3人の養子を得たことは関係者の間ではよく知られており、大尉はその米国生まれの次男なのだ。
野田首相の一行の墓参を無事に警護した同大尉は、首相の随行者のなかにかつて父親の下に留学していた国会議員の姿があるのをみて、内心うれしかった、とアワー氏に報告したという。
同氏も「日米関係に長年、かかわってきた私にとって偶然とはいえ自分の息子が日本の首相の墓参で米軍儀仗兵となるというのは、やはりとても誇らしいことです」と喜んでいた。(古森義久)
産経新聞 2012.5.8
【読売社説】生活保護見直し 自立を促し不正許さぬ制度に
2012.05/11 (Fri)
経済情勢の悪化を背景に、生活保護の受給者が増え続け、210万人に迫っている。働く意欲のある人の自立を助ける制度改革が急務である。厚生労働省は、生活保護制度を改革するため、社会保障審議会に議論のたたき台を示した。秋までに「生活支援戦略」として具体化する。
注目されるのは、新設を検討する「就労収入積立制度」だ。働いて得た収入の一定割合を積み立て、生活保護から脱した時にまとめて受け取る仕組みである。
生活保護の膨張の一因は、働き盛り世代の受給者の増加にある。近年は雇用保険に未加入の非正規労働者が、失業によって一気に生活保護に陥るケースが目立つ。
生活保護から抜け出したくても収入のよい仕事に就くのは容易ではない。徐々に収入を増やしていく、というのが現実だ。
ところが現行制度は原則として働いて収入を得ると、その分、生活保護の給付額がカットされる。働いても働かなくても同じでは、生活保護から脱却しようという意欲をそぐ、と指摘されていた。
それだけに、積立制度には効果が期待される。積み立て分は給付減額の対象とはならない。将来に備えることができ、就労、自立への意欲は高まろう。収入全体が増え、給付される公費も減る。
どの程度の割合で積み立てるかなど細部の設計を急ぎ、試験的にでも速やかに実行してはどうか。併せて、公共施設の業務など就労機会を作ることも必要だろう。
生活保護の給付総額は今年度、3兆7000億円を超える見通しだ。この5年間で、1兆円も膨らんでいる。これを抑制するためにも不正の防止は徹底すべきだ。特に、生活保護費の約半分を占める医療給付である。
生活保護受給者は医療費の自己負担がなく、必要以上の診療を受けていることが少なくない。受給者ばかりを集め、診療報酬を稼ぐ悪質な医療機関も存在する。
厚労省は、診療内容が適正かどうか別の医師にも判断を求める制度など、不正防止の強化策を検討中だ。生活保護費の透明性を高めるために不可欠である。
社会保障と税の一体改革で対案を検討中の自民党も、「自助」を重視する立場から、自立支援策に力点を置いて生活保護給付を抑制する方針を打ち出している。
生活保護の見直しも、一体改革の重要な柱である。与野党で力を合わせ、多角的に制度改革を進めるべきだ。
読売新聞 2012年5月11日
【余録】「コンコルド効果」という…
2012.05/11 (Fri)

「コンコルド効果」という言葉がある。コンコルドはかつての超音速旅客機で、開発段階から大赤字が見込まれたのにしゃにむに実用化された。そこで損だと知りながら、つぎ込んだ費用を惜しんで投資をやめられぬ状態を示す言葉となった。
携帯端末のネットゲームで多額のお金を費やしたプレーヤーも、くじ引きによりアイテムをそろえる「コンプリートガチャ」について似たような話をしている。ある程度アイテムが集まると、残りのレアなアイテムをそろえるのに損と知りながら金をつぎ込むという。
もともと10個セットのうち9個集めていれば、何が何でもコンプリート(完成)させたいコレクター心理だ。完成時の同好の仲間内での優越感は、余人にははかりしれぬものがあるようだ。人間の性(さが)の不思議というべきか。
ちなみにガチャは玩具自動販売機のガチャガチャからついた名で、ゲーム上でのくじ引きである。ネットゲームを運営する6社は先日、相次いでこのコンプガチャの廃止を明らかにした。消費者庁が景品表示法違反の可能性があると指摘したのを受けての対応だった。
さて架空のゲームの世界に惜しげもなくお金をつぎ込むのは人間という生き物が賢いからか、愚かだからか。ともあれアイテム集めに熱中した子供の親が何十万円も請求されるなどの問題が起こっては、違法か否かにかかわりなくゲーム各社の全廃決定も当然だろう。
ゲームは今や文化やソフト領域で世界への浸透をめざす「クール・ジャパン」の看板商品である。ゲーム文化の洗練にはゲームビジネスの品位と節度が求められることも示したコンプガチャ騒動だ。
毎日新聞 2012年05月11日
【憂楽帳】もんぺ
2012.05/11 (Fri)

さくらよ。忘れても、/世の俗説にのせられて/烈女節婦となるなかれ。(中略)きたないもんぺをはくなかれ。
反骨の詩人、金子光晴(1895〜1975)が戦時中に書いた「さくら」。「ぜいたくは敵だ」のスローガンに踊る女性たちを嘆いたこの詩を読み、背筋が伸びる気がした。自分で服装を決めることは自由の証しで、手放してはならない権利だと感じたから。「きたないもんぺ」は、むやみな自己規制の象徴なのだろう。
ミャンマーの民主化が進んでいる。立役者の一人、アウンサンスーチーさんは信念を通した烈女かもしれないが「きたないもんぺ」ははかなかった人だと改めて思う。髪を飾る花、カラフルな民族衣装。紙面で見るたび、優雅な姿にみとれた。闘士らしからぬ装いは思想を一色に塗り込めようとする軍事政権への無言の抗議だと感じた。
そのスーチーさんが先日、下院議員として議会に初登院した。身に着けていたのは紫色の民族衣装。鮮やかな色に、どんな思いを込めたのか聞いてみたい。【永田晶子】
毎日新聞 2012年05月10日
【爺放談】フライング
2012.05/11 (Fri)
「スポーツ倫理学」という学問分野がある−その入門書をいくつか読むと、「スポーツは人格の形成に役立つのか」という問いから、スポーツ市場の巨大・過熱化で生まれた薬物使用などをどうとらえるかといった新しい問題まで、幅の広い「倫理」を対象としている。勝利を目指して競い合うという側面に着目すれば、キーワードは「ルール順守」であり、<公正な競争とはルールの範囲内でおこなわれる競争である>という基本定義は、誰もがうなずく常識といえる。
徒競走で、いくら人より早くゴールしたいと思っていてもフライング(不正スタート)をすれば、失格となることは、運動会に臨む子供たちでも分かる「倫理」の初歩を、民主党という政党は踏みにじって恥じることがないのだろうか。
小沢一郎元代表の党員資格停止処分は「判決確定まで続く」というのが、自ら設けたルールだったはずだが、控訴期限の2日前に早々と処分解除方針を決めてしまった。
せんじつ、検察官役の指定弁護士が、小沢元代表の控訴を決定したのは、政治資金規正法違反事件の判決は「確定」していないことになり、民主党の“フライング”は明白なことから、「裁判継続でも解除」という横紙破りをそのまま押し通すのかだ。
規則を守らない選手は応援も信用もされないことから、無節操にルールを変える政党も同じことがいえる。
【5/11誕生花】やぐるまそう
2012.05/11 (Fri)
花言葉 繊細、優雅 
小さな花が集まって咲く様子がまるで矢車のようだ、というところから名がつきました。ヨーロッパでは春の花として、とても愛されています。
■今日生まれのあなたは・・・
物事を合理的に考えるタイプ。決断が早く1度決めたらけして後悔しません。仕事はてきぱきそつなくこなします。
【夕歩道】
2012.05/10 (Thu)
民主党代表選で敗れて「一兵卒」を自称。幹事長として訪中した時は、中国のトップに「私は、人民解放軍で言えば野戦軍司令官」と。そんな、小沢一郎元代表。被告の立場が続くことになった。控訴には、賛否両論があるだろう。何より納得いかぬのは、早々と党員資格停止処分の解除を決めた民主党。停止処分は「判決確定まで」と言っていたのに、党内融和などを理由に、フライング。
今の最高司令官は、解除について「党に任せてある」と逃げ腰。この政党は政権を取る前「当たり前のことができる政治」を訴えていた。今や約束違反がお家芸。とても当たり前の政党に見えぬ。
中日新聞 2012年5月10日
寝ても覚めても プロのプライド
2012.05/10 (Thu)
ゴールデンウイークに、スポーツ紙のベテラン記者と久々に会ったら、「選手会長の発言、どう思う?」ときかれた。プロ野球選手会の新井貴浩会長(阪神)が、日本野球機構(NPB)との事務折衝で、昨年導入した統一球の再検討を求めた件だ。「カッコ悪いよね」と答えた。統一球は、予想以上に飛ばなかった。11年の本塁打は10年に比べて約4割も減った。2年目の今季は、打者も慣れて対応できるのではないか、と思っていたら、1試合当たりの本塁打数は、むしろ減っている。
全試合の3割近くは、どちらかが無得点。確かに淡泊な印象を受けるし、たまには打撃戦も見たい。ロースコアの試合が、息をのむ投手戦というよりも、単なる貧打戦ではないか、と感じることも、けっこうある。すべてが統一球のせいとは限らないが、大きな要因であることは間違いない。
だからといって、選手会が“改善”を求める事柄ではないと思う。
第一、カッコ悪いではないか。「ボールが変わったら、とたんに打てなくなりました。だから元に戻すか、多少は飛ぶようにしてください」なんて、プライドがあったら、口にはできない。ダルビッシュ有投手(レンジャーズ)が日本を離れる決意をした理由がオーバーラップする。「相手から試合前に、この球は投げないで、とか、もう打てない、ときいた」
もちろん新井会長は、それほどあけすけには言っていない。「観客がどう思うか」とファンを前面に出す。
さらに「投手からもどうなのか、という意見をきいている」と選手会の総意という形をとった。でも、統一球がなじまないごく一部の投手を除いて、ほとんどの投手は統一球を歓迎している。ある投手は「ぼくら、飛ぶボールでさんざん苦労してきた。打ち取ったはずの当たりがホームランになったことが、何度あったか」と言い「1年や2年で泣きを入れるなんて」と批判的だ。
今季、本塁打率がますます低下した理由は、おそらく、投手の方が、統一球の特徴を生かした投球を、マスターしたからだろう。だったら打者も、ちゃんと対策を練ればいい。実際、先日、通算2000安打を達成した稲葉篤紀選手(日本ハム)など、昨季は対応できなかったのに、今季はちゃんと数字を残している選手もいる。
泣き言などききたくない。プロの自負心を見せてほしい。
毎日新聞 2012年05月10日
専門編集委員 冨重圭以子
【なるほドリ】ブロードウェーで初主演、米倉涼子さんの実力は?
2012.05/10 (Thu)

◇「シカゴ」日本で当たり役 スター入りには語学力課題
なるほドリ 女優の米倉涼子(よねくらりょうこ)さんが、7月にニューヨークのブロードウェーでミュージカル「シカゴ」の主人公ロキシー・ハートを演じると決まったね。
記者 日本人女優がブロードウェーで主演するのは、1958年、「フラワー・ドラム・ソング」で中国系米国人の主人公を演じたナンシー梅木(うめき)さん以来。男優を含めても70年に「ラ・マンチャの男」の主人公を演じた松本幸四郎(まつもとこうしろう)(当時は市川染五郎(いちかわそめごろう))さん以来の快挙です。
Q 「シカゴ」はどんな作品なのかな。
A 20年代の米シカゴを舞台に、愛人を殺した人妻ロキシー・ハートと、夫と妹を殺害した歌姫(うたひめ)ベルマ・ケリーが、敏腕弁護士(びんわんべんごし)と組んで世間の同情を集めて世論を動かし、スター街道を上っていくストーリー。ブロードウェーでは75年に初演し、96年からのリバイバル公演は6400回を超すロングランとなり、史上歴代4位の記録を更新中(こうしんちゅう)です。ロキシーはメキシコ人が演じたケースもありますが、アジア系の女優は初めてです。
Q そんな大役を、どうやってつかんだんだろう。
A 米倉さんは08、10年に国内の「シカゴ」公演で主演し、ブロードウェーの制作スタッフと仕事をしました。10年公演では、当時ブロードウェーでベルマを演じていたアムラフェイ・ライトさんと共演し、出演を意識するようになったそうです。11年1月ごろから現地のプロデューサー、バリー・ワイズラーさんとの交渉(こうしょう)が始まり、昨夏から7回にわたり、英語での演技や歌を撮影(さつえい)したビデオを送りました。中には8分以上セリフが続くシーンや50分に及ぶ映像もあったといいます。日本公演で一緒に仕事をした現地スタッフも実力を保証(ほしょう)して主演が決まったのです。米倉さんは3月の発表会見で、「『シカゴ』に出るために生まれてきたのだと思う」と涙を見せました。
Q これで米倉さんも世界のスターだね。
A いえいえ、そんなに簡単ではありません。今回、米倉さんが出演するのは7月10〜15日の8公演。米国ではまだ知名度も高くありません。ただ、ずば抜けた実力が認められれば、一夜にしてスターとなる「オーバーナイト・サクセス」が起こり得るのもブロードウェー。音楽評論家(ひょうろんか)の安倍寧(あべやすし)さんは「米倉さんは日本人のミュージカル女優としては華(はな)があり、ロキシー役も自分のものにしている。あとは語学力だろう」と評しています。
毎日新聞 2012年05月05日
学芸部 木村光則
【甘口辛口】猫ひろし 五輪はそんなに軽いものではない
2012.05/10 (Thu)

“猫は三月(みつき)を一年(ひととせ)とす”とのことわざがある。猫は成長が早く3カ月が人間の1年にあたるそうだが、タレントの猫ひろしはこの3カ月で1年分ぐらいの話題を振りまいたのではないか。カンボジア国籍を取得してまで手がかかったロンドン五輪出場に、国際陸連がやはり「NO」の結論を出した。
マラソンのレベルが低い同国なら五輪に出場できるという猫側と、マラソン振興のために代表にという同国陸連などの思惑が一致して、いったんは代表に内定した。しかし、国籍を取得したのが昨年10月で、国際陸連は「国際競技会にカンボジア代表として出場できるのは今年10月以降」との最終判断を下した。
一生懸命練習し、挑戦する姿勢は見上げたものだ。しかし、参加標準記録に関係ない「特別枠」の出場とはいえ2時間30分も切れないで五輪に行こうというのは、わきまえがなかったといわれても仕方ない。同国での生活実態もほとんどなく、最初から違和感があった。五輪はそんなに軽いものではないはずだ。
もっとも、タレントとしては名が売れ所期の目的は達したろう。二股交際とやらで極悪人のように責められワイドショーで涙を流した塩谷瞬も、たちまち“有名俳優”になった。選挙報道で劣勢が伝えられると激励や同情票が集まる“アンダードッグ(負け犬)効果”みたいなものだが、猫にも“負け猫効果”があるかもしれない。
“三日飼えば三年恩を忘れない”という犬に比べ、“猫は三年の恩を三日で忘れる”。五輪消滅でカンボジアにハイさよなら、では猫もやっぱり恩知らずになる。4年後、人に後ろ指をさされないような代表を目指してもらいたい。(今村忠)
サンケイスポーツ 2012.5.10
政論 小沢氏裁判 輿石氏、民意軽視の果て
2012.05/10 (Thu)

もはや政権の足を引っ張るばかりの疫病神と化してはいないか。野田佳彦首相が民主党の小沢一郎元代表のグループを抑える「党内融和の象徴」として幹事長に抜擢(ばってき)したものの、今やすっかりメッキのはがれた輿石東(こしいし・あずま)氏のことである。
■謙虚さ、恐れなく
小沢氏の1審無罪判決を不服として、検察官役の指定弁護士らが控訴を決めたことに対する輿石氏の反応からは国民の厳しい視線に対する謙虚さや恐れはうかがえない。まるで人ごとのように「それはそれで(指定弁護士が)そういう判断をしたんだから、それでいいじゃないですか、別に…」と語った。
日教組出身の輿石氏の政治手法は、どこまでも労組出身議員らしい。労組議員の選挙の特徴は、広く民意を引きつけ浮動票をかき集める必要がなく、身内である支持母体を固めさえすれば当選できることだ。
そのためか、発想はひたすら内向きになり、目線は特定団体・グループのみに向けられ、それ以外の民意には鈍感になりがちだ。
そもそも10日の控訴期限を待たず、党内の慎重論を押し切ってまで強引に小沢氏の党員資格停止処分の解除を決めたのは当の輿石氏だ。まるで、国民の代表からなる検察審査会の議決を受けて動いた指定弁護士に対し、「控訴しようとしまいとこっちには関係ない」と挑発するかのようだったが、その反省もない。
「まず党内が一致結束することが最優先だ」
そんな輿石氏は7日の記者会見ではこう強調した。自身の役割は党内融和だと自任しているようだが、それでは輿石氏の就任後、民主党は一枚岩にまとまってきただろうか。決してそうはなっていない。
実際には、消費税増税関連法案や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加問題、原発再稼働問題などをめぐり、党内対立はむしろ先鋭化している。輿石氏は首相を支える幹事長でありながら、小沢氏やそのグループの反執行部発言をいさめるどころか、半ば黙認してきたではないか。
■党運営実権離さず
それでいて党運営の実権はちゃっかりにぎって離さない。首相は輿石氏の薦めもあり党内融和を最優先して小沢氏に近い一川保夫前防衛相や山岡賢次前国家公安委員長を入閣させたが、ともに問責決議を受け事実上更迭するはめになった。
首相は一川氏の後任には、再び参院順送りの「輿石人事」で田中直紀防衛相を任命したが、「不適材不適所」の人材としてまたも問責を受け、国会運営を一層難しくするばかり。国民もあきれ果てている。
にもかかわらず首相は今回の小沢氏の処分問題についても輿石氏に一任した。まだ目が覚めないのか。
「輿石氏は期待通りだ。その政策がいいとか悪いとか考えず、どうしたらまとまるかを考えてくれる」
首相は就任当初、周囲に輿石氏起用をこう自賛していた。だが、輿石氏の軸足はすでに小沢氏側に移っている。それに気づかないようでは首相は前任者2人と同様、何の成果もなく禍根だけ残した首相になるだろう。
産経新聞 2012.5.10
政治部記者 阿比留瑠比
エビさんの食べるスポーツ ごはんよススメ
2012.05/10 (Thu)
知り合いの落語家さんに関するこんな話を聞いた。彼は、私と同じ年齢。一般の人は、落語家という職業からイメージしにくいと思うが、長くトライアスロンをやっている。レース前などに会うと、顔の肉がすごく締まっている時がある。
彼は、ごはんが大好きで、ちょっと前までは、主食は白いごはんがメーンだったらしい。炭水化物補給は万全と自負していたようだ。
そんな彼の主食の方向性が変わった。きっかけは、飼い犬。愛犬が病気になった時、獣医さんと一緒に、犬が元気でいられるエサを考えた。その結果、玄米をベースにしたエサにたどり着いたというのだ。
長丁場のトライアスロンをしているだけあって、食事への意識は高い。彼は、自分も玄米食を取り入れるようになった。
すると、今度は、おかずが変わった。焼き肉やすき焼きは、白いごはんと合う。玄米にしたところ、塩昆布や佃(つくだ)煮で食べるとおいしく感じ、おかずはそういうものになっていったとのことだった。
私もすごくよくわかる。我が家も、朝食は玄米食が基本で、合わせるおかずは、琵琶湖特産のモロコの佃煮、ゴリの山椒(さんしょう)煮、海老(えび)豆、そして、この時期には氷魚(鮎=あゆ=の稚魚)の木の葉煮などが定番だ。塩分が気になるので、量は考えて食べるが、少しずつでもごはんが進むことこの上ない。
しかし、私のスポーツ健康科学部の学生たちは、地元にこんなに優秀なごはんのおかずがあることをほとんど知らない。
知らないだけで、嫌いなわけではないことは、うちに招いた時に出してあげると、普通においしいと食べることからもわかる。単に、自分の食習慣の中にないので、自ら食べようとも思わないし、店で売っていても気にしないだけなのだろう。
「体を大きくしたいから、たくさん食べてほしいんだけど、食が細くて」。若いアスリートの保護者からは、よくこんな嘆きを聞く。
同じ方向性の中で、手を替え品を替えるのではなく、習慣を見直すのも、ごはんが進むヒントになるかもしれない。
毎日新聞 2012年02月22日
立命館大学スポーツ健康科学部/同研究科教授 海老 久美子
与良政談 改憲論議は参院問題から
2012.05/10 (Thu)
先週3日の憲法記念日に書きそびれた話を書く。なぜ、憲法をめぐる論議が盛り上がらないのかについてだ。まず私の立場を記しておくと、私は改正すべき点があれば、その都度、逐条的に変えた方がいいという考えだ。だから護憲派ではない。ただし、今の憲法はGHQ(連合国軍総司令部)の「押しつけ」だからいかんという論にはくみしないし、長く憲法問題の核心だった9条も、今の国際情勢を考えれば、自民党の憲法改正草案のように自衛隊を「国防軍」に変える緊急性、必要性はないと思う。前文も同様だ。
改正を真剣に検討してもいいと思うのは、やはり参院の問題だ。本欄で再三指摘してきたように、ただでさえ日本の参院は各国と比べ「権限が強すぎる」といわれてきた。しかも今後、どこが政権を取っても衆参のねじれ状態は続き、「何も決まらぬ国会」の元凶となる可能性が大きいからだ。
橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会や、それに歩調を合わせるみんなの党は「1院制」を提起している。私も個人的には魅力を感じているが、そこまでしない場合はどうするか。
例えば憲法59条には「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる」という最近はおなじみになった「再可決条項」がある。この「3分の2」を「2分の1」と変えただけで爆発的に参院の力は弱まる。
「結局、衆院の勢力で決まるのなら参院など要らないという話になるのでは」という議論も出そうだが、参院の新たな役割を考えるきっかけにもなるはずだ。
ところが、今回の自民党の改正草案は、この参院問題について何ら言及していない。橋下氏は「そこに触れないと国民の心はつかめない」と語ったが、これにはまったく同感。党内バラバラで憲法論議自体を進められぬ民主党は論外として、国民の関心がわかないのは、目指す改憲のポイントがずれているからだと私は思う。
では、国会で議席を持たぬ維新の会や少数勢力のみんなの党以外の党が、なぜ、この問題に触れられないのか。答えは簡単。それぞれの党に所属する参院議員が参院廃止はもちろん、権限の見直しにも「存在感がなくなる」とばかりに猛反対するからだ。
改憲論議も自ら身を削るところから始めないと国民はついていかない、という話である。
毎日新聞 2012年05月09日
論説委員 与良正男
【近事片々】語る
2012.05/10 (Thu)
沖縄に米軍基地が集中するのは不平等と3人に1人。その7割もわが地域に基地が移ってくるのは反対と。復帰40年。世論調査が語る「本土」の了見。◇ ◇
歴史も語る。67年前の今ごろ、沖縄は「本土」防波堤となって時を稼ぐ総力戦に県民を巻き込む。だが東京の政府も軍も何も決められず、時を空費した。
◇ ◇
67年前の今日、徳川夢声の日記。「必勝不敗を呼号している、日本の指導者たち、果して当人がその信念をもっているのだろうか」。「必勝不敗」を「沖縄の負担軽減」に置き換えたら、そのまま今も。
◇ ◇
<老を鳴く鶯(うぐいす)思へきのふけふ> 路通(ろつう)
毎日新聞 2012年05月09日
【今朝の話題】冷房暖房兼用
2012.05/10 (Thu)

夏の冷房だけでなく冬の暖房までこなす(冷暖房)エアコンは、全く逆の働きをするようで実は原理は同じということを知っているだろうか。フロンなどの冷媒ガスを使うものだが、室外機との組み合わせがポイント。
エアコンによる冷房の仕組みはフロンが液体から気体に変わる時に周囲の熱を奪うという現象を利用したもの。外でコンプレッサー(圧縮機)を使いフロンを圧縮、液化させて中へ送る、それを室内機で気化させると周りの空気が冷やされるというもの。気化したフロンをもう一度室外機で圧縮…という繰り返し。
この時、外では逆の現象が起こっている。圧縮して液化する時に大量の熱を発生する。室外機の前で熱風が出ているのはこのため。この「フロンを室内で膨張(気化)させる」仕組みを、弁を切り替えることで外で膨張させれば、外は冷たく中は暖かくという具合に逆転できる。
ただしコンプレッサー(圧縮機)が中にあるわけではないから、暖房の方が効きが弱く、電気代がかかるとされる。
【毎日社説】東電事業計画 国も責任果たす覚悟を
2012.05/10 (Thu)
枝野幸男経済産業相が、東京電力の総合特別事業計画を認定した。これで、1兆円規模の公的資本注入が事実上決まり、東電は政府の管理下で経営再建を図ることになった。資本注入が実行されると賠償資金と合わせて約3兆5000億円の公的資金がつぎ込まれることになる。
巨額の公的支援は、被害者への賠償や福島第1原発事故の後始末、電力安定供給という東電がなすべきことを全うさせるためのものだ。経営が安定しなければ、支援は膨らみ続ける。東電再建は急ぐ必要がある。
計画は、14年3月期の黒字転換を目指すが、前途は多難だ。家庭向け電気料金の値上げと柏崎刈羽原発の再稼働を前提にしているからだ。
料金値上げに理解を得るには、ファミリー企業の見直しや退職者の年金切り下げを含め、東電自身の徹底した合理化努力が欠かせない。
地域独占にあぐらをかき、「値上げは権利」などと主張する独善的な企業風土の刷新も急務といえる。
計画では、取締役の過半数を社外から起用する委員会設置会社に移行し、若手・中堅社員や原子力損害賠償支援機構の職員らで構成する「経営改革本部」も発足させる。
次期社長に内定した広瀬直己常務は「一日も早く東電が変わったと思われるよう先頭に立つ」と述べた。改革への取り組みに期待したい。
原発再稼働へのハードルも高い。国民は、事故を起こした東電だけでなく、政府の原子力政策や原発安全基準にも不信感を募らせている。政府は、再稼働の可否を審査する立場でありながら、今後は東電の筆頭株主として、申請する側にも立つ格好になる。再稼働を認めるには、これまで以上に説得力ある説明が求められるはずだ。
まず、原子力規制庁の設置を急ぐとともに、原発事故の検証結果を踏まえた新たな安全基準を策定する必要がある。その上で、再稼働の必要性や安全性をしっかり説明できなければ、理解は得られまい。
さらに、将来的に原発をゼロにするという政策目標とその道筋をしっかり示すことで、国民の納得を得る努力が必要だ。
事故を起こした原発の廃炉費用や除染費用は、いまだに見通せない。その意味で、今回の計画は暫定的なものにとどまる。計画自体が「制度面での追加的措置の可否について検討する」と、支援制度の見直しに言及せざるを得ないほど、東電再建は予断を許さない状況だといえる。
再建が進まなければ、国民負担が膨らむ。東電も、巨額の公的資金をつぎ込んで経営権の過半を握る政府も、責任の重さを自覚して再建に取り組む必要がある。
毎日新聞 2012年05月10日
【編集手帳】
2012.05/10 (Thu)
歌人の山中智恵子は青空を井戸にたとえた。光を汲(く)む井戸である。〈青空の井戸よわが汲む夕あかり行く方(かた)を思へただ思へとや〉。青く澄みわたった5月の空だろうか。よく晴れた日和を「青天白日」という。転じて、無実が明らかになることを意味する。1審で無罪を勝ち取ったその人には、しかし、釣瓶(つるべ)を満たせるだけの光はまだ汲めないようである。
小沢一郎民主党元代表が政治資金規正法違反に問われた事件で検察官役の指定弁護士はきのう、東京高裁に控訴することを決めた。小沢氏には刑事被告人の立場がつづく。
控訴の有無を見極めもせず、民主党の常任幹事会は党員資格停止処分の解除をすでに決めている。元秘書3人が有罪判決を受け、自身も“秘書任せ”の言い分を「信用できない」と判決で両断され、あまつさえ、国会の場でただの一度も疑惑を釈明していない。「青天白日」までひと山、ふた山を残す人の復権は、世間の目にどう映るだろう。
小沢氏は釣瓶をひとまず置いて、青空の井戸に耳をすませていい。充満した政治不信の〈行く方を思へただ思へ〉という声が聞こえるかも知れない。
読売新聞 2012年5月10日
【憂楽帳】逆さば
2012.05/10 (Thu)
スポーツの現場で選手と立ち話をしていて、「この人、さばを読んでいるな」と感じることがある。年齢ではない。身長を実際より高く言うのだ。例えばプロ野球や大相撲、ラグビーなどなど。公式データの身長を数センチ水増しすることで、対戦相手に少しでも威圧感を与えようとしているのだろう。逆の例もある。女子バレーボールなどでは実際より低く発表する選手がいる。大きいほうが有利なのになぜ? 当人に聞くと「あまり大きいと思われると、お嫁に行けなくなるから」。
毎年、女子バレーの日本代表合宿に集合した選手はまず、互いの背中を合わせて背比べする。整列するときの並び順を決めるのだ。数年前、当時公称182センチの木村沙織選手が背比べをしたところ、184センチの選手よりも大きいことが分かった。木村選手は「これ以上伸びたくないよ……」と天を仰ぎ、周囲の苦笑を誘った。
ロンドン五輪の出場権が懸かる世界最終予選が今月中旬に始まる。木村選手はプレーでも精神面でも大きく成長し、今や日本のエースだ。今、彼女の公式データは185センチ。もう、さばは読んでいない。【田内隆弘】
毎日新聞 2012年05月09日 西部
【爺放談】改革はならず
2012.05/10 (Thu)
「ディズニーランドに行きたかった」とは、北朝鮮の金正日総書記の長男、正男さんが11年前、偽造旅券で日本に不法入国した際の一言を覚えている人は多い。海外で遊び回る放蕩(ほうとう)息子との印象もあるが、それは一面的な見方にすぎないかもしれないのは、最近のインタビューでは祖国の現状を驚くほど冷静に分析し、将来を案じているという。
海外留学が長かった正男さんは、父親に中国式の改革開放路線を強く進言していたといわれ、一時は検討されたが、独裁体制の崩壊につながるとして実現しなかったそうだ。
「3代世襲はもの笑いになる。父も否定的だった」との発言もあり、事実とすれば、国内の統治を安定的に進めるには血統に頼るしかないとの判断が働いたのだろう。
いずれにせよ「改革」はならず、またも瀬戸際外交が繰り返されており、北朝鮮は国際社会の強い非難に反発し、核実験も辞さぬ構えであり、孤立を深める国家の若い指導者正恩さんを側近たちはどう導くつもりなのかだ。
正男さんが語る東京の高級クラブでの思い出が印象深いのは、韓国支持の民団系、北朝鮮支持の総連系、そして一般の日本人が一緒に飲んで歌い、「いつかこんなふうに壁がなくなればいいと思った」という−それは間違ってはいない。
【5/10誕生花】しゃくなげ
2012.05/10 (Thu)
花言葉 威厳、荘厳
日本に自生する、初夏の代表的な花木。海外でも人気が高く、アメリカのワシントン州では州花としています。
■今日生まれのあなたは・・・
慎重に石橋を叩いて渡るタイプです。ただ慎重すぎて、なかなか行動を起こさない踏んぎりの悪いタイプでもあります。
