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DATE: 2007/11/01(木)   CATEGORY: コラム
「友人の友人はアルカーイダ」産経新聞【編集手帳】

「イッツ・ア・ボム(爆弾だよ)」。太平洋上を夜間飛行中の米ユナイテッド航空機内で、日本人乗客が、トレイに紙袋を乗せながら口にした。スチュワーデスの連絡を受けた機長は成田への引き返しを決める。

 

乗客は「ジョーク、冗談だ」と弁解したものの、聞き入れられるはずがない。1991年2月、時まさに湾岸戦争の最中である。日米間の危機管理意識の違いが浮き彫りになった騒動だった。「友人の友人はアルカーイダ」。鳩山邦夫法相の発言を聞いて思いだす。

 

「バリ島の中心部は爆破するから近づかないようにというアドバイスを受けていた」。講演を聞いていた外国人特派員は、仰天したことだろう。5年前に200人以上が亡くなった爆弾テロ事件を、事前に知っていたと受け取られても仕方がない。

 

もともと発言が風船のように軽い人物である。安倍内閣総辞職後の会見では、「自動的に執行が進む方法はないか」と、法相が死刑執行命令書にサインする制度の見直しを打ち出しながら、再任が決まるとトーンダウンさせた。今回の発言も、後になって「真偽は確認していない」などと訂正したが、「舌足らず」ではすませられない。

 

相変わらずの日本の平和ぼけを、世界中に宣伝しただけではない。きょうテロ対策特別措置法の期限が切れ、給油活動が中断されるというのに、再開のめどさえ立っていない。国際社会のいらだちが、こんな見方を生むことを恐れる。「『テロとの戦い』は、日本にとってしょせん人ごとか」と。

 

ハイジャック防止法違反で、逮捕、送検されたくだんの乗客は、航空会社に400万円の賠償金を支払うことで、示談が成立している。鳩山法相は、どんな落とし前をつけるつもりだろう。

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