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DATE: 2008/01/06(日)   CATEGORY: コラム
「公共施設の命名権売却」中日新聞【中日春秋】

論語には<朝(あした)に道を聞かば夕べに死すとも可なり>の言葉があるが、これは道順さえ教えてもらえれば、もう死んでも構わない、ということでは、もちろんない。「道」には「道理」という意味もある。

 

県民は、これは道理にかなうと判断したのだろう。新潟県が県道の名前を売りに出すことを決めた。五百近い路線の命名権を新年度中に企業などに買ってもらうのだという(新潟日報)。公共施設の命名権売却は昨今珍しくないが、県道までとは、ちょっと驚きである。

 

<道を教へてくれる煙管から煙が出てゐる>は尾崎放哉の句。路傍で一服する村のお年寄りにでも道をたずねたのだろう。素朴な詩情があるけれど、こういう時のおじいさんの説明が「この〇×コーポレーション街道をまっすぐ行ってじゃな…」では、どうも様にならない。

 

ところで、道路財源といえば「道路をつくる財源」の意で、ガソリンにかかる税金などを指す。新年度の国家予算案編成でも焦点の一つだった。しかし、ほかの自治体が続々と新潟県に追随するようだと事情は変わろう。今後は「道路が財源」という意味の道路財源の語が幅を利かすかもしれない。

 

財政再建団体の北海道夕張市では市役所や学校の建物まで売ろうとしているそうだ。そこまででなくとも、台所の苦しい地方自治体は少なくない。売れるものは何でも売って露命をつなぐ。これでは、地方はまさに「売り食い」の時代である。

 

古く、企業名に合わせ市名を変更した例もある。いずれ、自治体の名が売りに出される日も来るのだろうか。

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