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DATE: 2008/07/06(日)   CATEGORY: 社説
官製談合―賠償の請求で終止符を

 役所が天下り先を確保するため、公共事業をどの業者に落札させるかを決めたうえで高値で発注する。こうした官製談合がまた断罪された。

 

 旧日本道路公団発注の橋工事をめぐる談合事件で、旧公団副総裁だった内田道雄被告が懲役2年6カ月執行猶予4年の判決を受けた。

 

 言い渡した東京高裁は、官製談合が旧公団の「違法な慣行」だったと指摘した。旧公団OBが橋メーカー業界に天下りして受注業者を割り付け、それに旧公団がお墨付きを与えていた。執行猶予にしたのは「被告は前任者からその役目を引き継いだのであって、被告のみを責めることはできない」との理由からだ。

 

 旧公団の組織的な犯罪だったことが明確になったのだ。旧公団はすでに分割民営化されているが、官製談合は官の世界に広く深く根を張っている。根絶するために追及の手を緩めてはならない。

 

 その武器の一つが、5年前につくられた官製談合防止法だ。公正取引委員会から再発防止を求められた役所や公的団体は、かかわった職員に対し、談合によって被った損害分を返すよう速やかに請求しなければならないという規定がある。経済的にも責任を厳しく問うことで官製談合をなくそうというのが狙いだ。

 

 ところが、北海道岩見沢市、新潟市、旧道路公団、国土交通省は、公取委から官製談合防止を求められたのに賠償を請求した事例は1件もない。

 

 岩見沢市は「損害がなかった」との結論だったが、残りは調査中という。

 

 旧道路公団を引き継いだ東日本高速道路は、元副総裁の有罪が確定するのを待って調査の結論を出す方針だという。元副総裁側は上告したが、高裁がここまで明確に断罪したのだから、請求の根拠としては十分だろう。

 

 官製談合によって公務員や職員、業者にかすめ取られたのは税金や公金だということを忘れないでほしい。その回復を納税者らに代わって担うのだから、速やかに請求すべきだ。

 

 今回の判決によると、談合があった工事の落札率は、なかった工事よりも10%余り高かった。判決が「談合が旧公団や社会に与えた損害は甚大」と批判したのもうなずける。これではドライバーが払った通行料などは、職員の退職後の天下りのために流用されていたというしかない。

 

 国交省では水門工事談合での賠償請求の結論が出ないうちに、北海道開発局をめぐる別の談合が摘発された。もたついていると、身内をかばっていると思われても仕方があるまい。

 

 問題を起こした役所や公的団体が賠償請求を先延ばしにするようなら、請求を別の機関に担わせるように法律を変えた方がいい。

 

/6 朝日新聞 社説

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