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【甘口辛口】森友学園問題 「花開いて風雨多し」はいただけない
2017.04/03 (Mon)
万物、みなよみがえる春。東京都心では満開宣言が出てサクラの便りに腰の落ち着かない季節が今年もきた。いい時候なのに森友学園問題は泥沼にはまったまま新年度を迎えた。1日には学園の籠池泰典氏の弁護人が証人喚問の発言に対し、偽証の疑いがあるとした自民党の西村康稔衆院議員らに抗議書を郵送したという。なんでも、籠池氏が安倍晋三首相の昭恵夫人から寄付金100万円を受け取った傍証とした郵便局の振込用紙の筆跡が問題とか。自民党が行った筆跡鑑定では振込人欄に「安倍晋三」と書いたのは、籠池氏が説明した学園職員ではなく、籠池氏の妻・諄子氏だったそうだ。
これらの証言が偽証の疑い濃厚というわけだが、「姑息」「ちっちゃい」と野党が反発を強めた。自民党は証人喚問を通じ「籠池氏は、とんでもない人物」とのイメージを植え付け早く幕引きするつもりだったのだろう。総裁特別補佐を務める西村氏らが首相の手前、張り切りすぎて「勇み足」した感じだ。これも安倍首相に対する「忖度」だったのかもしれない。
筆跡がどうこうでも籠池氏が「記憶違いだった」と言ったらそれまでだろう。弁護士として森友学園の訴訟には一切関わっていない、と答弁し続けた稲田朋美防衛相は裁判所に出廷記録があったことで「記憶違いだった」と謝罪した。こういう人が大臣に居座っているのだから説得力はない。
各世論調査によると森友問題は国民の60~70%が納得できないという。どちらが正しいのか、野党側の求める昭恵夫人の証人喚問はともかく、せめて参考人として話を、という声も聞く。でないとこの話は延々と続く。「花開いて風雨多し」はいただけない。 (今村忠)
サンケイスポーツ 2017.4.3
