岳道の時事放談ですよ~ん
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【夕歩道】パン屋さんに歴史あり
2017.04/12 (Wed)
伊豆・韮山に反射炉を築いた江戸後期の兵学者、江川坦庵(たんあん)は「パン祖」、つまり日本で初めて本格的にパンを焼いた人物ともいわれる。韮山の江川邸には徳富蘇峰が書いた「パン祖の碑」が残る。坦庵は携帯軍用食としてパンを研究し、やがて門弟たちが製法を各地に広めることになる。そのパンが天保十三年に初めて焼かれた日にちなみ、業界団体は明日四月十二日を「パンの記念日」と。
図らずも「美しい国」の道徳教育の一端を国民に知らしめたパン屋さんに、歴史あり。教科書から消され、国や郷土を愛するが故に国産化を進めたパン祖・坦庵は泉下で腰を抜かしておられよう。
中日新聞 2017年4月11日
