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【爺放談】深海のごみ
2017.04/26 (Wed)

日本海溝の水深約6280m付近で見つかったマネキンの頭部。
(「しんかい6500」第67回潜航:1991年7月15日撮影)
縄文時代の代表的な遺跡である貝塚は、一般的にはごみ捨て場だったと考えられているが、別の見方もあるのは、縄文の遺跡を世界遺産にするため、努力している方によると、縄文人は「人は自然に生かされている」という考え方があり、貝塚は魂の「送りの場」だったという。
こちらにはそんな崇高さはどこにも感じられないのは、深海に沈むごみの数々である‐海洋研究開発機構がインターネットで画像を公開した。
手もとのパソコンで、その「深海デブリデータベース」を開いてみると、潜水調査船「しんかい6500」などで撮影した動画や画像から、ごみの写っているものを分類・整理したという。
当地紙などに掲載された水深6271メートルのマネキン頭部をはじめ、水深1万898メートルのポリ袋、6360メートルのスニーカー(右足)、5765メートルのゴム手袋(左手)、3978メートルのタイヤ、3722メートルのサンダル…なぜこんな海の底まで」と考え込まずにはいられなかった。
災害などで海に流され、海底にたどり着いたごみもあるだろう‐しかし、「どうせ人の目に触れなくなるのだから」と安易に投棄されたとすれば、罪は水深よりも深いのではないか。
光の届かない暗い海を、ポリ袋や空き缶がゆらり、ゆらりと沈んでいくことを想像すると、ホラー映画のような恐ろしさを覚える。
