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DATE: 2007/07/28(土)   CATEGORY: コラム
「平均寿命今昔」読売新聞【編集手帳】

〈昔むかし〉竹取物語でかぐや姫が月に帰る場面に、「翁(おきな)、今年五十ばかり…」とある。姫は地上で20年を過ごしたという。光る竹に姫を見つけたとき、「たけとりの翁」は30歳ぐらいだったのかしら。

 

〈平安時代〉源氏物語に、「今年ぞ、(光源氏が)四十になり給(たま)ひければ、御賀の事…」とある。「賀の祝い」とは長寿の祝いを指す。40歳から10年ごとに祝い、四十の賀を「初老」といった。

 

〈江戸時代〉岡本綺堂(きどう)が描く捕物帳の主人公、「三河町の半七」は46歳で十手を返上し、隠居している。作者は江戸の世を知る人のなかで育った。50手前のご隠居がいたのだろう。親分がちょっとうらやましい。

 

〈昭和〉石川達三が昭和24年に発表した小説「風にそよぐ葦(あし)」に、60歳間近の登場人物が階段で難儀する場面があった。「老人にとってビルディングは難所だった」と。いま書けば叱(しか)られよう。

 

〈きのう〉朝刊に日本人の平均寿命が載っていた。2006年は男性が79・00歳、女性が85・81歳、男女ともに過去最高を更新した。女性は22年連続して長寿の世界一、男性はアイスランドに次いで2位という。

 

〈あす〉参院選の投票日である。年金など社会保障の青写真をどう描くかも争点になった。長い歳月をかけて延ばしてきた寿命である。延びて良かったと、心から思える世に。

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